頭の利用法
このクソピンクの髪の毛を、どうするかは決まった
とりあえず今は面倒臭い
今後ここでの生活がどうなるか分からんが、手間暇かけて手入れの必要な髪は性に合わない
数日でボロボロの糸屑になる、間違いない
その前に、ハゲのおっさんの頭に乗っけてやろう
なんか愉快だ
「Ha-ha-ha!…ゲホゲホゲホゲホ」
笑い過ぎて吐きそうに…
静まり返るわな
筆を持つ手も止まってるよ
『ガシャ』
誰だ今、武器を手に取ったな?
「ダリウス様、悪魔憑きではございません
どうぞ、計算問題をお続けください」
「何?気が付いたというのか…」
お前しかいないだろう?まずお前だと思うだろ、普通
「何でもありませんよ
このクソピンクの髪を切って、ハゲどもの鬘にしたら、さぞや愉快かと
想像したら笑いが止まらなく…あははははは…ゲホゲホ」
ハリーくんが心配そうに背中をさすってくれる
「あれ?ありがとうハリーくん」
「ベス?…?」
「あ、大丈夫です
ベスでも大丈夫です」
「もしかしたら、喉渇いてる?」
…はい、そうです
ハリーくんは、よく気がつく良い子です
ハリーくんが
「あの、お茶を…
「白湯を頂ければ、幸いですが
水が汲める所があれば教えてください
案内してくださいますか?」
「では、私が…」
そうだろうね、ハンスくんだね
「ハンス様は、ダリウス様に付いていなくて大丈夫なのですか?」
決して嫌味ではない
ダリウスは、気不味そうに
「ハンス、場所は分かるな」
と、告げた
「はい!」
ハンスくん、よいお返事
ここは、水飲み場だったのだろうな
透明な水が流れている
教室から奥に進んだ、中庭のような一画
中庭は随分寂れていたが、朽ち果てたベンチや樹々は
かつての学校のような姿が垣間見れた
その先に見えるのは、宿舎?寮だろうか
ハリーくんも興味深そうに見てるな…って、ついて来たんかい、おい!
「これは、飲み水として使われていたから大丈夫だと思います」
「ありがとうございます、ハンス様
ついでに火を使える場所はありますか?」
「かつて、食堂として使われていた場所にご案内します」
なるほどねー、寄宿舎付きの学校か
食堂も長く使われていなかったようだが、炊事場もあって
水差しがいくつかあったので、飲み水を汲みに戻った
「ハンス様は、数式は苦手ですか?」
解けなくて泣いてたもんなぁ
「…恥ずかしながら…」
「戻ったら、解答用紙を見せて頂けませんか?」
「そんな…人に見せるような物では…」
うーむ、気持ちは分からんでもないが
「…解答用紙を、人に見せずに、どうするおつもりでしたか?苦手という事は、自己解決できてないのかもしれませんよ
誰かに見せて、笑われた事があるのですか?」
ハンスくん、唇を噛みしめている
『ええ加減なやつじゃけ〜ほっといてくれんさい?』
「あのね…ベス…
僕の解答用紙も見てくれる?」
ハリーくん?いいよーいいけど
とりあえず、クネクネすんな
連載の方法を、初めて知ったのは数日前
ずっと、ず〜っと間違えていました
申し訳ありません




