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帰りなんいざ その2
意識を失くしたエベスが、ダリウスに運ばれたのは、
エベスが、初めて来て,やらかし始めた場所
この国が『美しさ』だけではなく、きちんとした知識
(それは、貴族としての礼儀作法、或いは考え方)を学べる様に作り
その思いが、打ち砕かれた場所だった
エベスは、その朽ち果てた場所を学園の様にして
今は、当然の様に、他国、異種、自国のものたちが学びの為に行き交う場所になっていた
ダリウスは、その中を『エベス』を抱えて通る
そこに集うものが、エベスには気にもせず
ただ、学べる事の喜びに満ちていた
「ダリウス…」
と、言う声に
立ち止まりそうになる,ダリウスに
エベスは告げる
「申し訳ない、重くなりそうだ」




