ハイドロ・シルバー その後
『あれ?可愛い?』
ハイドロ・シルバーは思った
恥ずかしげに、ピンクの後ろに隠れる○スラ(仮)は
今まで出会った女性の誰よりも、本当に誰よりも儚げであった
ぷよぷよした体、オドオドした動き
隠れる仕草…
あたりまえである、昆虫系の幼生なのだから
「あのな、この子は人であるなら幼い子!
しかし!!成長したあかつきには、『強化外骨格』となり…!」
と、これみよがしに知識を披露するピンクの口を
バシっと、エベスは抑える
「…この子は、違う」
少し寂しげなエベスの表情に気がつく者は少なかったが
レッドと、グリーンはだけは
何かに気がついていた
無言で頷き、
「こちらで、休みなさい」
と、レッドがその『虫姫』の手を取った
去っていく『虫姫』が、一瞬
ハイドロ・シルバーの方を見て、ぎこちない会釈をした
「…彼女は、今後育っていく…」
と、唐突に、エベスは言う
「それは、どういう意味ですか?」
と、シルバーは聞き返す
「『毒』は、何処からできる?」
という、エベスの問いに、シルバーは考えを巡らす
それは、魔術?
蛇は?その牙故の毒液
植物は?その持つが故の特性
キノコもまた?
それ以外には?
『あ…』
と、言葉にならない声がハイドロ・シルバーから漏れる
「あなたを責めるつもりはない」
エベスは、シルバーに言う
「彼女『虫姫』の成長の過程を、共に見てはくれないだろうか」
と




