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ジェミニの国のクーデター その3

ハイドロ・シルバーは怠そうに告げる

「普通の事ですよ」

と、


「双子の王の不在

『エベス様の拉致計画』!」

そこだけ、わざと声を大きくすると、

ピンクが『ゲシッ!』と蹴る


『イッ痛!』

と、ピンクを振り向き

『この!クソピンク!』

と、口の動きだけで告げるが

『早よ言えや!勿体ぶりやがって、クソが!』

と、同じように、口の動きで言い返される


『…くう〜XXX!xxxxxx…!』

と、ハイドロ・シルバーはピンクを睨むのだが

ピンクは、しらっと笑顔を見せる

そして、

「この(ドサンピン…)方が、何か大切なお話がありますのね…ですね?」

と、キラキラと目を輝かせる


「「『あら?…』」」

と、目の笑わない笑顔て、見つめられたシルバーは怖気立つ

しかし、ジェミニの妹王だけは混乱し、

事の次第を分かっていない


『…何故?なぜ…』

と、困惑している


「…いつからかは、分かりませんが

用意周到に『簒奪』を考えるもの達がいたようです…

今が、その時だと思ったのでしょうね」

と、シルバーは告げた


『ドヤ顔はいらんぞ〜

早よ言えや〜他国であろうが、「国の大事」に、

今、お前のエベス忠誠心のアピールは「くそ」や〜…や〜…や〜……』 


ハイドロ・シルバーは、ギリギリと歯噛みする

『…悔しい…悔しい…悔しい』と

しかし、その姿に、

ジェミニの姫王は

「…ありがとう、エベスの国の『美しき』騎殿…」

と、近づく


「…報せて頂けた事、感謝致します」


ハイドロ・シルバーへの

ジェミニの妹王からの、心からの感謝の意であった



小さな誤解ではあるが

シルバーにとっては、思いがけない言葉であった







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