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兄妹 その2

「誰が、言ったのか…

双子が男女に分かれると、災いが起こる

と、言うことです」


諦めたように、妹王は語る


エベスの国の人々が一瞬黙ったのを見て

『あぁ、ここも我らの思いをすくう場所ではなかったか…』


と妹王が思ったその瞬間


「それは、おかしいですわね?」

と、レッドが

無言の静寂をぶった斬る発言を、冷静に美しく言う

 

「わし、エベッさんの国の話で聞いたことあるで、

あれやろ?『双子の男女は、心中もんの生まれ変わりやて

糞っそ、みたいな『迷信』!」


ふわふわしていた、妖精ピンクが

声は美しくキラキラした声で、力を込めて『糞』と言うので、

妹王が

「え?」

と、驚く


「お気になさらず…」

と、何事もないようにレッドは告げて、微笑む

その時、初めて妹王は知る

『ハゲ』を気にして、揶揄される弱小国の廃嫡された第二王子の元婚約者

しかし、その能力の高さと気品故に、第一王子の婚約者として返り咲いたその人


「あ、貴女は…」

と、妹王が何かを告げようとしても、レッドは

『しー!』

と…

ほんの少しだけくだけた表情で、鼻に皺を寄せ、綺麗な顔で身分を明かす事を止めるように告げる



兄と国為に

兄のように、兄の形を真似てここまで来た妹王にとって

『レッド』の満たす雰囲気は、とても心地よく

妹王に、新たな思いを促した








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