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閑話休題 ケルベロス長男の話 その2
気がつけば、幼い姿に…少し違う
ケルベロスを期待された、あの頃ではなくて、子犬ではなくて
ただ、小さい龍になっていた
もの凄い違和感で、怯えた
温かいお湯も、癒すものではなかった
「おお、生きとるな」
と、声をかけてくる、あの…もの凄くい嫌なイライラする
イントネーション!
エベス様言うところの『クソピンク』に違いなかった
「…何のようだ」
と、イチ兄が、出来る限りの威圧を込めて発した言葉は
本人も絶望するくらい、ボーイソプラノで
「生かせてもろたからには、努力せーや」
と、ピンクに返されて、泣きそうになる
「泣く暇はないで、やる事は目白押しや!」
と、小さくてガラの悪い妖精に言われるのは悔しい
悔しいのだが…
「では、何を…私は何をすれば良い?」
問いかけるイチ兄に
「そんなもん!小さいうちにやれる事をやる、それだけ‼︎」
ピンクは、胸を張る
ピンクのあまりにも、根拠のない自信に圧倒されて
「わかった」
と、頷く
しかしながら、その後のピンクの教育は、エグかった




