自爆と自白
『死んでなお、痛みは残るのか…』
繋ぎ合わされたばかりで、再びボロボロになった肉片は呟く
『チクチクチクチク』
誰も応えない
『俺は…』
変な独白をされそうになると
「…こういう時は、この痛覚が感じられそうな所を
抉る様に強く、確かに繋がるようにですよ、いいですか?」
と、ムクはレクチャーする
「グオおお」
と、叫ぶ声は無視である
「いいですか?
彼は今、おかしな事を言いましたね?
分かる人?」
ムクは、質問した
「はい!」
元気よく手を挙げる少女に
「どうぞ」と促す
「この人は、死んでいるのに『殺せ』と、言いました!」
「正解です」
『うふ』
ほめられた事が嬉しかったのか、その子は
嬉しさのあまり、ザクザクと乱雑に縫う
『ヨミ様?』
ムクは、ムク自身が答えを聞きたそうな顔で、ヨミに聞く
『…明るく、闊達な子であったのだろうな』
ヨミは応える
「あ、あの…」
と、自分の言葉に自信のなさそうな子が、おずおずと手を挙げる
「答えよ」
と、ムクは聞く
「…私は、一所懸命に縫いました
でも…」
戸惑い黙る、その少女に
「…続けて…」
と、ムクが促す
「…殺せ…って、何で?
死んでるのに…死んでもなぜ?命令するの?って…」
少女は、震えている
ムクは、その少女を抱きしめた
「そうだな…お前は正しい」
ヨミは、淡々と肯定した




