632/725
ムクの、お仕事
「回収してきました」
と、ムクは伝えて
「お疲れ様」
と、ヨミは応えた
「自爆か〜」
と、袋の骸を確認しつつ、
『嫌いなんだよね』
と、笑顔でヨミは言う
「申し訳ありませんでした」
ほんの少しだけ、ムクは表情を変える
(大丈夫だ)
と、笑顔でヨミは言い
「裁縫ができそうで、苦手そうなのを呼んで」
と、ムクに伝える
「はい」
と、答え、ムクは引き摺る様に数人を連れて来る
「さて、みなさん!お仕事です♪」
自爆した遺体?はグチョグチョに破壊されていたけれど
ムクが保存したので、痛みは残る
それを、縫い集めるのが
先に来たものたちのへの罰である
罪に応じて、悔い改めれば
そのものたちは、消滅する事ができるのだが、
取り敢えず、ヨミにとっての『引き出し』の中に入るだけで
開放された訳ではない
基本的には、ヨミの思うがままなのだけれど
あまりにも劣悪な環境で、人として少ない歳月しか過ごさなかったものは
案外、この環境に慣れるのは早かった
そんな時には、ムクが
その無表情さ故に、優しいと思うものもいた




