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毒を持つものへの対応
『なぜ?』
自分こそが選ばれるべきだと思っていた
毒を持つ、蛇族の少女には今の状況が納得いかなかった
その毒の牙で、爪を噛みそうなその時
「あら、勿体無い」
と、エベスの声が聞こえる
「あーん、して」
エベスの声が聞こえた途端、
『シルバー・ピンク』煌めく髪が飛んで来る
その髪の束が、優しげだが確実に自身の顎をこじ開けられた時
毒蛇の少女のプライドは消し飛んだ
それだけではない
少なからず、毒を持つ事にプライドを持っていたものは
あまりの力の差に、泣きそうになる
なぜなら、エベスの髪がコヨリのように、
毒のあるべき場所に絡みついた後に、
その毒を吸い上げていくのを見たからだ




