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毒の子たち
自ら、毒の最高峰である女王の前に歩み出て、
然も自己アピールの全てを成した
トカゲ族の子と、軟体動物の子ではあったが
いざ、許可された立場になった今、新たな恐怖が襲う
小さなヒョウモンダコ系の子の、フヤフヤと揺らめく腕たちを見て
トカゲ族の娘は、その手のひとつを取る
『ハッ』と、動きを止め、トカゲ族を見つめる目に
「うん」
と、一言だけトカゲ族の少女は告げた
フヤフヤしていた手を掴んだその手は優しく
少し、震えているのを感じたヒョウモンダコ系の子は
小さく
『はい』と頷き返した
彼女らが、
後に最恐の(闇の)毒殺部隊と恐れられる
隊長と副隊長の出会いであった




