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髪は長いお友達 その3

ハリネズミの様になった、何処かの国のお偉いさんは

「き、聞いていたのとは違う!」

と、叫ぶ


エベスは応える

「初見のお客様には、本来、施術は行わないのですが…」

そして、恭しく鏡を見せた

「お客様の頭頂部の髪は、

…とても、淋しくなっていらしたので…」


鏡を見た、何処かの国のお偉いさんは

「ほぉ…、この様な我が美しき髪を見たのは、久しぶりである…」


感じ入ったかのように、鏡を魅入る


「ここまでは、初期対応で無料ですが…」

エベスは、美少女の顔で申し訳なさそうに告げた


「構わん!」

と、彼の人は叫ぶ



「では、全身コースでいきましょうか?」

と、エベスは言う

「戦争の、和解金くらいは頂くことになりますが?」

と、エベスは念を押す

「構わん‼︎」

偉いさんは、叫ぶ


『アホやこいつ』

と、ピンクがやって来て告げる


『その通りや…』

エベスは笑う


「では…」

と、思わせぶりに、一呼吸おいて

エベスは、ピンクゴールドの髪で繭を作る


演出として、少し祈るように

手を組み、祈る様に俯く美少女エベスを目の当たりにして

「惜しくない…惜しむべきではない…」

と、呟きながら

どこかの偉いさんは髪の繭に埋もれていく

何故か、そいつ、否

その方も、目を閉じて祈るように

エベスを真似て、その手を組んでいた


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