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そして、エベス
「クソピンクも、えらい、力つけたなぁ」
と、あきれる様な声がして、
エベスが
呆れた顔をして現れる
「それはもう、エベッさんのご指導のおかげ」
と、ピンクが普通に話していると、フェルトと長男は痛がりながら起き上がる
フェルトは、ささっと、自分の姿を整えて
「やはり、あの様な結果になりましたな…」
と、不思議な思いそのままの感情を伝える
笑うでもなく、悔やむでもない顔で
「そうだった」
と、エベスは答える
エベスにとっては、話し合いのつもり
そして、きちんとそれに対応するつもりだった
ただ、当然、幾重にも
自身の危険に対応できるような計画だけはあった
ただ、
何だろう?
そこまでしても、分かって期待をしていたはずでもなかったのに
エベスは思う
長男の首を落とした時の
あの
『してやったり!』の声が、不愉快で堪らなかった
エベスは目を閉じ、
「私の我がままに、付き合わせしまったな」
と、伝えた
そして
「私に後悔はないのだけれど」
と、長男とフェルトの目を見て告げた




