数学嫌いな子って、どこにでもいるよね
「場所を変える、ついて来い」
うん?私だけでしょうか?
「わ、私も…」
ハリーくん、ついて来てくれるのね、ありがとう
このまま、息の根止められるのかしら
いや、何というかね
こちらに来てから多分数時間も経ってないし、この身体も借り物の容れ物感がハンパないし
思い入れがないので、若干生きることへの欲が薄いのは確かなのよ
理由もなく入った身体は、理由もなく唐突に出ていくのだろうか、とかね
前の人は、本当にゲームのようにリセットして、この身体から出て行ったのかもしれないし
「気になるか?」
フンっと鼻で笑ってるわ、おじさん
ハリーくんは「はい」って答えてる
「気になるのであればついて来てもいいぞ
そうだな、あと、数式で自信のある者、ついて来い」
これは、ほかの兄さんたちに言ってるんだな、
あれ?そのいかにも『聞いてないよー』的な反応は何?
「…私が」
おお、1番始めからいる厳つい兄さんが志願したよ
「…そうか、ダリウス…他の者はおらぬか?」
お?2人ほど付き従ったよ
(あれ?もう1人ついて来ようとして止められたのがいるけど、見なかったことにしよう)
『お前はいいから』
『いや、でもダリウス様にどんな時もついて行くと』
『聞いていなかったのか?数式に自信がある者と言われたのだぞ』
『そうだ、ダリウス様に恥をかかせる気か⁈』
『でも、俺は…!』
あ、おじさんに聞こえたな
「ついて来るか、ハンス?」
「は、はい」
ハンスくん、いいお返事だね
というわけで、何が起こるのでしょうか?御一行様ご案内〜
ぞろぞろというほどの人数ではないが、
連れて行かれたその先は…
ここは何というか、強いて言えば教室かなぁ
黒板があって、椅子と机が並んでて
不思議そうな顔をしていたのか、おじさんが話しかけてきた
「ここは、個人的には教師を雇えない者たちのために用意した、下級貴族のための学問の場だ
だった、というべきか?」
おじさん、ちょっと自嘲的に笑った
何だろう?何かの理由で閉鎖されたのか?それとも計画が頓挫したのか?
分からないし興味はないが
「先程言っていた幾何学とやらをもう一度説明していただこうか?」
「分かりました、では皆様も席についてくださいますか?」
「お前、手慣れているではないか」
「いえ、教養の範囲です(そんな訳ないよね)」
「そうなのか?」
「では、趣味の範囲です(そんな訳もないよね)」
「まぁ良い、やってみろ」
では