現状回帰
「お目覚めになられたのですね」
と、ふわふわのスーと共に入って来たフローレンスさんは上機嫌だ
「あの、着替えもさせて頂いたのですね
ありがとうございます」
「勿論ですとも…ここは、女性の気持ちを分からない
人として恥ずかしい人間の集まりですから!」
フローレンスさん誰に言ってるの?人として恥ずかしいと言われると
此方にも被害甚大ですよ
ニヤニヤするなよ、スー?
こう、何か押し出される様な感じで、出て来たのは
つるっぱげのフェルト様?
「ぶっ!」
屁ではない
腹に力が入って、放屁の予感は腹筋で止める
「で、どの様に?どちらから進めましょうか?」
ハゲからか?
そうだろう
なぜなら、ハリーくんも情け無い顔で扉の向こうから見ている
「ハゲからでしたら、どうぞ『エンジェル・スー』にお導きを…」
と振ると
「ちょ、待てや?丸投げかい」
と、スーが言うが、多分ノリノリと見た
無言で『いっとけ』と、進めると
「しゃあないなーいっとこか?」
そう言うと、エンジェル・スーは輝き出し
『あるものは、あるところへ帰れ』
と呟いた
柔らかな光が降り注ぎ、スーが毟り取った?かの様なハゲたちの元へ毛は戻っていった
『また、呼んでや』という、私にだけ聞こえた言葉とともに、スーは消えていった
「また、な」
私はつぶやく
αさん改め、フェルデナンドさんはつぶやく
「私の髪は、戻りきらなかったようだが…」
「多分、現状復帰までだと思いますが?」
当然じゃないか?と真顔で答えると
「…そうだな」
と、言うが
何、期待しとったの?知らん知らん




