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逃げるが勝ち

「う、わー引くわー泣けば済むと思ってない?」

と、スーが言うので

「お前に引くわ…」

と呟く

私の言葉に、スーはニコニコしてる

いや、誉めてないし…


「エンジェル・スーは、元々のクソピンク…いえ、エリザベスの残滓…

有り体に言えば、元エリザベスの恨み辛みが残っている様に思います

私怨ですね

それを私にはどうする事もできません」

スーはコクコク頷くし、顔を青くするおっさん達は無視

顔は覚えた

いいや、私よりも有能な方々はいらっしゃるので、好きにすればいい

それより、営業

「私から、エンジェル・スーにお願いしてもよろしいのですが…

スーさんどうする?」

と聞くと

「もう、ハゲの国で良くないっすか?

エベッさん、ハゲ好きちゃうの?」

う…ふっふ

「それは、よろしゅうございますなぁ」

悪い笑みを浮かべるエンジェル・スーとエベスに、男達の動揺が広がる


「そこを、何とか考え直して頂けないだろうか?」

王様かー、えっ王様?玉座降りて来たよ


「そりゃ頭下げるわな〜

隣国との会談、あれいつ?いつやったっけ〜」

鬼畜なエンジェル・スー

「ひと月後だ…」

あら大変

で?

「髪を…」

王様?

「お願い…」

何処かの土下座系ドラマかよ?


「基本、優先順位はありますが、フェルデナンド様と…初めにいらした方を先に鬘を作る事になります、既に発注されているのですから致し方ないとお思いください」

「分かった」

王様は答える

αさんは、微笑む


「わっ我らはどうすれば…!」

知らないですねー自分で考えましょう

「今、ごちゃごちゃ言うた奴のだけ、毛根消していい?」

スー、美しい援護射撃ですな


「それでは、急ぎ皆様の『鬘』を作成の為、この場を辞させて頂きます」

チラリと王様を見ると、疲れた顔で玉座に座り直して 

『行け』と声もなく頷く姿が見えた


私はハリーくんの手を掴んで走り出した



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