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かみさま、お願い

真っ直ぐ、王を見て話始めるαさん

「この少女を、この場に呼び出したのは、何か我が国に利用価値があっての事」 


さすが、薄毛!髪が無くなったくらいでは動揺しない

いや、鬘を発注済ゆえの強気か?


「それならば、もう少し筋を通して話を進めては如何でしょうか?」

 

「…しかし!」

クソピンクjr改め、エンジェル・スー(仮)に『こいつ』と言われた、いけすかんおっさんが反論しようとするが、αさんが話を遮る

「我々は先日、離宮に視察に行ったが、王宮への報告義務は怠っていない

その上で今回の事態が起きているのは、誰かの横槍が入っているのか?」

わざとらしく?何かを考察する様に目を閉じて、独り言の様に呟く

あぁ、是非『ギャーテー、ギャーテー、ハーラー、ギャーテー』と唱えて欲しい


「そ、そんな事はない!」

「貴殿が、とは言っていない

ただ、王室から届いた品の中に紛れ込んでいたというのは…?」


確か、さっき自分で言ってましたよね


「あーもうめんどくさー、取り敢えずこのおっさんの毛根だけ消しといたろ」

クソピンクjr(改)エンジェル・スー(仮)が発言する

もう、スーでいいや

「ところで、この方は何されてるの?」

私は問うてみる

「お、伯父の顔すら忘れたのか⁉︎」

ほう、伯父さんでしたか?知らん人だけど…

「知らんから?とりあえずスーさん、毛根消して」

「よっしゃ、分かった!」

二つ返事で、手にしたおっさんの髪にスーは問う

「帰りたいの?帰りたくないの?」


おっさん、手を前に組み何かをお祈りしております


さて、スーさんは?

ポイッと髪を投げて、

「バイバイ〜」

と、言って退けた


おっさん祈り虚しく、美しい金色の髪がふわりと宙に舞い

一度くるりと、おっさんを包み込んで、

光に溶ける様に消えていった


そして、…スーさんの天使の様に微笑みと憐れみの顔

「おっさんの毛根は、今、昇天されました」

何でそこだけ、エンジェル?エンジェル・スー?

おっさんとは、伯父さんの意味含むの?


その場にいた男性の動揺が凄い

何これ?

最期の審判?


泣き崩れるおっさん

それを、何故か支えるのはαさん?何でや⁉︎


「貴殿の毛根は、今、天に召されたが

何と美しくかった事か…」

αさんの言葉に、えぐえぐしながら

「あ、ありがとうございます」

と、号泣するおっさん


ハゲ同志で支え会う姿 


そこは思う事もあるけれど、敢えて無視



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