虎の尾を踏む
お行儀悪いけど、上から下まで睨め付けてやるぞ?
『ふーん?こいつか』ってね
このおっさんが小物臭いなぁという気持ちは置いといて…
それより視覚が捉えた物が気になる!
気のせいか?その頭頂部
これは、自然発生的なものか?長いお友だちをクソピンクjrが道連れにして来た奴か?
私の気持ちを察したのか
「おっさんのてっぺんの長〜いお友だちは、ここやでぇ〜?」
と毛玉を摘んでプラプラしている
うわっ悪い笑顔、
思わず、
「出たな妖怪!本性を現したな!」
と、声に出た
「それ、酷い!酷いわぁ〜」
クソピンクjrの泣き崩れる姿は昭和の喜劇…これは、私の記憶が演らせているのか?なんか嫌…涙出てないし
「なぜだ…なぜ分かったのだ…」
おっさんが呟いている
こういう時、貴族はしらばっくれるものだろう?
それとも、ハゲの事か?ハゲは分かるけど?
「それな?おっさんの加齢臭たどってったら行き着いたわ」
泣き真似をやめて、クソピンクjrが食いついた!情け容赦ないな
「この子ら、返したってもいいけど、サクサク話すか?」
「返してくれるのか⁉︎」
おっさん、そこですか?
取り敢えず
「勝手に話を進めるな!」
一応話をやめてくれるのね、ありがとう
「私は、不敬ではありますが、王に問うているのです
再度お尋ねします
王は、どうされたいのですか?
宜しければ、お答えをお願いします」
「そうだな」
と、王様は言う
「ヘンリーの問題とは別に、このかつての令嬢の事は考えていこう」
「先送りにされるという事でしょうか?」
「まさかとは思いますが、ヘンリー様の廃嫡を撤回すれば喜ぶとお思いだったのですか?」
王様は無言だ
「それはヘンリー様の問題で私に何の関係が?」
「無いというのか?」
「無いです」
沈黙の中にピリピリした物が伝わって来たので続ける
「確かに『エリザベス』という女がやらかして、結果ヘンリー様が廃嫡になった
それに関しては『エリザベス』にも責任があるのでしょう
ただ、その罪に対する罰は執行中ではないですか?今後、死ぬまであの場所での幽閉でしょう?
それに問題が派生しましたか?」
続けてやる
「『許してくれと懇願しろ』と思っていたのに?
『許して』と懇願して許された人を私は知りませんけどね
更なる絶望に突き落とす為のフラグですものね、時間の無駄」
あらあら、怒ってる?
「それでも大切なのは経済活動ですよ
罪人はね、民の税金で生かしてもらってるんですよ(そこだけ見ると、貴族と変わらないか)
その負担を軽減する為には、働いた方が良いと思いませんか?」
「かつての暮らしが恋しいというのか?」
王が聞く
「この世界でのかつての暮らしは、記憶にないです
でも、『入れ替わる前』の暮らしからしたら、『大昔』ですもの…」
おっと、本音が
「やはり、異世界の知識を持つ者か…
この者を捕えろ!」
そういう事ね
「ハリーくん!クソピンクjr!」
とにかく曲がりなりにも、味方の確認
逃げるが勝ち
その時
「チュドーン‼︎」
『チュドーン?これ、良からぬ音だ』
その音と共に
「よっしゃ任しとけ!」
というクソピンクjrの声
そこの景色は、
ハゲが…ハゲによる、ハゲのための、とてもハゲだけの世界だった




