表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/725

換骨奪胎

どうやって手に入れたのかは謎だが、靴と反物が数種届いた

なかなかのスピード感だ

元々はおバカではないハリーくん

ヘンリー元王子に、肩入れする人間はいたのだろう

大っぴらではないにせよ、まだどこかにいるという事なのか?

それは純粋な善意か、同情か?多分違うよね、恩を売りたいんだろうな

ハリーくんは分かった上で受けたのかな

それとも、対岸の火事…身に振る火の粉は払いもするけどって、わざとギリギリの線まで踏み入って面白がってる奴がいるのか…


布は結構な長さ、5〜6mは欲しい所だが、いけそうだ

今からドレスを仕立てるのは無理だが、ペチコートとチョリなら何とか…

サリーの下に着るペチコートは直線断ちなので私が縫い、チョリという服は、前後の身ごろと腕の部分のイメージを伝えたら、フローレンスさんが縫ってくれた

チョリは本来お腹がチラリと見えるのだけれど、さすがにまずかろうという事で長めにした

ペチコートは、布を挟むのウエスト部分をしっかりめに作った

しかし、正解は分からない

良い生地で作ったバッタものだ

布地が良いので、もはやこれは国籍不明の民族衣装的な何かだな、服は服だけれど

さて着付けてみるか?右側から巻いて巻いて、ギャザーを手で折るのがポイントだと思われる

そして、最後はある程度長さを残して左肩にかける


何とか着付けた私を見たフローレンスさんの目がキラーンと…?

「このドレスには、何かヘアスタイルも決まりがあるのですか?」

うーんと、どうだったかな?

記憶を辿っても、思い浮かぶのはヒンドゥーの女神様たち

極彩色の神々の絵とチベットのタンカが交錯する

(美しい、あぁ幸せ…って、そっちじゃない、戻って来い私)

黒髪ロングをそのまま下ろしていたと思う

ティアラ?の様な装飾品は付けていたけれど、特別な髪型ではなかった様な気がする


「特別にこうでなければいけないという決まりはなかったと思います(多分)」

あるのかもしれないけれど、知らないのでごめんなさい

あ、そうだ

「ひとつ思い出しました

こう…、肩にかけているドレスの部分をベールの様に頭に被ると、相手への敬意を表すのだそうです」

「それ、使えますね」

フローレンスさんはにんまりする


髪は、ベールによる乱れを最低限に抑えるために、サイドから少し編み込んだハーフアップにしてくれた

フローレンスさん、素晴らしい!


さすがに着付けなので、席を外していてくれたハリーくんが待ちかねたのか

「コホン、入ってもいいかい?」

と、声をかけたが、何だその『コホン』?鎮咳去痰粉末が必要か?あれは『ゴホン』か、どーでも良い


「どうぞ」

と、フローレンスさんが答える


「「「おぉ〜」」」


何でや?何故皆んなが覗く?


「美しい…

まるで、異国の姫のようだ」


いや、異世界から来てますけど

しかも、外見は借り物ですし、おすし…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ