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一髪千鈞を引く

ムカついたので、ぼやっと過ごすつもりはない

カテーシーだか、カーテシだか知らないが、一応型を取らねばならんのなら

やるだけの事はやる


ハリーくんが呆れながら付き合ってくれる

「ベスは面白いね」

「あぁ?そうですか?」

そっけなく答える

「背筋が真っ直ぐに伸びてて、キレイに出来てるよ」

「ありがとうございます」

腐っても王子のダメ出しはなく、かつての世界の茶道の精神を思い出す

「ベスの根底にあるものは何だろう?」

ハリーくんは、私の手を取りダンスに誘う?

あー無理無理、そんな物はTVで観ていたとある番組しか知らない

あれ?


下手くそだけど…

踊れてる?

これは、さすが元王子だ


「靴も必要だね」

ハリーくんは、優しく言って気がついた

そこそこ、ボロボロだわ靴


「実は、私の方にも王宮に来るように打診は来ているので、靴は何とかしよう」

何だお前?数日前には泣いてなかったか?と、言いたい事はぐっと堪えた


善意の中での自分の愚か故の失態は、悔しくて泣く感情の甘さで納得出来ても

悪意による画策された、嘲る様な敵意や殺意を感じたら…?

覚醒のハリーくん?面白い


「行きましょう、王宮へ」


売られた喧嘩は買うぞ?

クソピンクは、利用されてるのか?


「あ、その前に、いい感じの生地、切らずに反物で手に入りませんか?」

ハリーくんが、呆気に取られる

『えっ?この流れで?』って顔をしてる 

「た、反物なら…手に入るかもしれないな…?」

「ありがとう、ハリーくん」

私はにっこり笑う








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