表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/725

謝罪より感謝を…謝謝

コンパスと定規…ぶん回しと曲尺…規矩

そして、『伏犧女媧図』

上半身は人的な、下半身は二重螺旋構造の如く絡まる蛇的なあの絵

私は女媧の手に持たれたコンパスと、伏犧の手に持たれた曲尺を思い浮かべてにんまりした


「楽しそうだね、ベス」

と、ハリーくん

こんな身上でも、愉快な事はありますよ

「でも、量産をお願いするなら、フェルト様に相談した方が良いと思うよ」

そうです、全くもってその通りです

『ほうれんそう』は大事

「ハリーくんって…」

『なぁに?』って顔をしてもさ

「頭は悪くないよね?…恋愛で、身を滅ぼすタイプ?」

ハリーくんが、固まった

『ガーン⁉︎』って…感情豊かだね…全部顔に出ちゃうのね

それ、元王子としてはどうよ?


ハリーくんが拗ねていじけているので、食堂に行く事にした

拗ねさせた責任は取ろう

手を繋ぐと、ハリーくんは大人しくついてくる

数少ない味方?敵ではない人は大切にするよ?

何か甘い物でも食おうではないか

パンの残りがある

おぉ、ミルクと卵だと?ジャガイモも配給されてるではないか?

では作ります

目指せ、フレンチトースト&芋もち!


ハンスくんとフローレンスさんの手を借りて、それらしき物を作っていく

それなりの量を作ります

あざと可愛いお嬢さんなら、クッキー?とか作るのかもしれないが、記憶から一旦除外

「手慣れていらっしゃいますね」

と、フローレンスさんが言う

「うーん、それなりに?でも、フローレンスさんも手際が良いですね」

手先が器用なんだろう

きれいに芋もちが仕上がっていく

「私は、必要がありましたもの」

ハンスくんも上手

ハリーくん、そわそわしてる

見てるだけより、やってみたいよね

「ハリーくん、小さ目のを4つ作ってくれる?」

何事もなかったように、ハリーくんに声をかけて、芋もち4つ作ってもらう

フレンチトーストもどきは、もう少し漬け込みたい

ハリーくんが、頑張って作ってくれた芋もちを焼いていく

味見だ

「さて、食べてみましょう、熱いから気をつけて」

フローレンスさん、ハンスくん、ハリーくん、そして私

まずは、食べてみます

「頂きます」


「あっ…」

と、フローレンスさん

無言で、ハフハフ食べるハンスくん

『懐かしい味だ〜』と私は思ったが、気になるのはハリーくん

熱さに驚きながら、小さな芋もちを食べる

(目黒の秋刀魚か?)の気分だけれど、感想を待つ

目を見張ったハリーくんは、

「美味し…」

「うっまー‼︎」

それは良かった

だけど、うるさいよハンスくん

フローレンスさんが怖い顔で睨むと、ハンスくんは大人しくなった

空気が読める子?それとも、怖いお姉さんがいるの?

「美味しかったら何よりです

皆様にも食べて頂きましょう

ハンスくん呼んで来てあげて」

「はい‼︎」

良いお返事で、ハンスくんは駆け出して行った

「フローレンスさんも、ご家族に声をかけてください」

と、私が言うと

「いえ、私は…」

フローレンスさんは戸惑うが

「是非、お疲れでしょうから…

こんな機会も、滅多にないですよ」

と言って、鬘屋のご主人と弟さんを呼びに行かせた


私とハリーくんは2人きりになった


「美味しい」

改めてハリーくんは言った

「そう、良かった」

私は答える、そして

「ありがとう、ハリーくん」

と、お礼を言った





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ