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代数と体力と その1
エベスが、この状況になってここに来て
1番はじめに授業をした
何らかの訳あり貴族の少年たちに
課題を残していた
勿論、すぐに
『やーめた』
と、なる者たちもいた
何もすることがないのであれば
…そう、何となく身体を鍛えなければ!
と、思う者もいたのであろう
暇は、自身を腐らせる
しかし、その中で
何かをしなければならないという
焦燥に駆られる者もいた
『あ、
…出来た』
その、呟きに
この世界での可能性を
エベスは感じていたのだ
そして、エベスは
その度事に、実は彼らを訪ねていた
数分でも、彼らに会い
課題が出来たことを褒め
出来なくても褒めた
「こんなの解くの嫌だったよね?」
と
言う事もあった
そして、突然消えた
あの日残され、ハンスだけを用いたと思っていた者達は
実は困惑していた
しかし、やって来る度に課題の○付けをして
『あ、ごめん!時間だ』
と、慌ただしく去って行く、エベスを待ってしまうのだ
「暇だったら、やる事はないのか?」
ある時から、
ダリウスが顔を出すようになった
彼らは、体力的にも鍛えなければならなかった
彼らは
少しずつ、
講師となるべく、知力体力を鍛え上げられていた




