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…一休さん?
「これで、私の犯した罪が少しでも、贖えるのであれば…」
シルバーは、淡々と告げ
ブルーが持つ液体を、自ら飲み干した
そして、静かに目を閉じた
誰も、何も語らなかった
シルバーは思う…
やはり、自分は
誰にも期待されず消えて行くのだ
最期に、憧れた少女と語らえたのは良かった
性悪な女ではあったが…顔はとても好みで、少しだけ優しかった
あの頃の…
「うるさい!喧嘩売ってのか?」
『ベシ‼︎』
え!
「私は…?」
「勝手に死んだ気になるなや」
エンジェル・スーが、呆れた顔で覗き込む
「私は、目覚めたのか?」
と、つぶやく
「命までは取らん
シルバーの言葉、やっぱり聞いてなかったな?」
そして、スーから渡されたのは、鏡だ
「ほれ、見てみい」
「へ?」
ツルツルになった頭
剥き出しになった顔
それは、若干この世界では薄い顔で…
でも…
「ア、あははは!」
何とも言えない、その自分の顔にシルバーは笑った




