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クリスタル・ブルーとグリーン その2

「へ?」

と、心からの声が漏れたのは、ブルーの美意識からは外れたものだった


『私は、絶対に「え?」と、言った筈だ…!』

ブルーは、その美意識の為に内心言い訳をしていた

しかし、その様な事をグリーンは理解してはいない


「…私の意見を述べても良いでしょうか?」

グリーンは、基本的に慇懃無礼なタイプなので、普通に許しを求める

(あぁ、あの間の抜けた言葉は、聞いていなかったのだな)

内心ホッとしたブルーは

「…何か気になる事があったのか?」

と、聞く


「β様は、女装はお好みですか?」

グリーンは、直球である

「…嫌、そんな事はない…」


ブルーこと、βは

『クリスタル・ブルー』として、

美の女神として持てはやされる事を、それ程嫌がってはいなかった

寧ろ、心地良いと感じていた

地位や名声ではなく、彼の『美』を真っ当に認められた結果だと思っているからだ

当然の結果だ

ただ…


「何故、そう思う?」

βは、グリーンに問いかける

「私は…」

グリーンは、少し考えつつ

「そうですね」

と、答える

「長年、培われた職業的なものでしょうか?」

真っ直ぐにβを見つめる目に、嘘も媚びもなかった


「男性として、美しいβ様を…この手で作りたい

そう思ったからです」



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