ハイドロ・シルバーの今後を考える
「さて、ハイドロさん
貴方はどうしたいのですか?」
とエベスは聞く
もちろん、この場合の会話は漏れないように
結界的な物は張ってある
「どうとは?」
心を決めたのか、寧ろ清々しい顔で答える
「まぁ、毒系の大事ですから、御自身の国には遅かれ早かれ伝わるでしょう
…その上で聞きます
貴方は死にたいですか?生きていたいですか?」
「あ、…」
と、答える王子的な人に、被せるように言う
「うちとしては、基本処刑も自害も勘弁なんで…」
「女の子になりませんか?」
普通にエベスが提案する
「…殺すなら…⁉︎
えっ?えっと…⁉︎何それ?何を言っているんだ?」
慌ててるけど、大丈夫
「これは、あくまで外交の交渉のひとつです」
エベスは、政治的なことは疎いが
「イキった、王室関係のひとりが、毒殺を考えて返り討ちに合いましたが
自死を試みました
しかし、命だけは助かったのですが…」
何故?皆んな息を呑む
「…男性としての機能を失ったのです…」
『嗚呼…』
と、声なき声を発して、天を仰いだのはクリスタル・シルバー
「御いたわしい…」
と、声に出したのは、誰?レッドあたり?
クソピンクが、真顔で歩み寄り
「ワシが…ワシは、お前さんを支えて行くで」
と、涙ながらに言うから
「大丈夫です…どうぞ…父に、否
王様に、その様にお伝えください…」
と、ハイドロ・シルバーは告げる
そして…?
クソピンクに?あのクソピンクに?
ふらふらと浮いている、元エリザベスの胸に抱かれて
ほっとした様に、涙を流すのだった
『へっ?』
と、エベスは思った
『あくまで、その体で…と言う、意味なのだけれど…』
敢えて否定はしなかった
『敵を欺くにはまず味方から…と、言うしな』
と、思いつつ
『可愛くなりそう』
とも、思った
しかし、このさめざめとしたウザい状況に
『○○○消したろか?』
とは、思うのであった




