229/725
フェルトの怒り
「なぜ、このような事を!」
フェルトは怒り狂っていた
しかし、それは、さほどの怒りではない事を
周りの者は知っている
獣人から、美しき中年オヤジになった狼系の人は
『あの』映像を見てから、フェルトの侍従のようになっている
「まあまあ、フェルト様
お茶を淹れましたゆえ、少しお気持ちを楽にされては?」
と、宥めるように言うと
フェルト自身が少し甘えた顔をして
「うむ」
とか答え、
「このお茶は美味いな…心が温まる、ありがたい」
とか言う
エンジェル・スーさん
『キモ!』と、吐きそうな…肝臓吐きそうな嫌な顔をするが
中々に、良い関係を築けていて何より
「で、何で怒ってんの?」
と、わざと聞く
「そ、それは…」
口籠るフェルト
「それは、あの泣き顔でしょうか…」
と、優しく言う、狼系のおっさんに
「フート、やめろ」
と、そっぽを向くフェルト
フ、フートだと?
何それ、溺愛?
「私どもとしては、嬉しくもあるのですが…」
何それ?相思相愛?




