221/725
悪役の顔は得意
ツルツルになった子の顎を上げ、しみじみと眺める
「あなたは、とても綺麗ね」
ほうっと言うため息を込めて、泣き叫ぶ子に告げた
「えっ?」
と、その子は目を見張り、こちらを伺う
「本当よ、とても綺麗」
それは本当だった
「わ、私は…罪人でしょう?」
と、その子は言う
「そうですね
ですから、罪を贖って頂きましょう」
その子は、ごくりと喉を鳴らす
「あなたの、美しさで…」
そう告げると、何かを誤解した獣人の貴族子女が
『ひ〜‼︎』
なのだろうけれど
様々な獣的悲鳴を上げるので、
阿鼻叫喚
「うるさい‼︎」
と、心底ウザそうに告げる




