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縁は異なもの

「内容を何も説明せずに、契約を迫るのは如何なものかと…」

ハリーくんの言葉にも、フローレンスさんは怯まない

「この状態の方を見過ごすわけにはいきません

この魔力暴走の引き金になった原因を、ハリー様は気付いているのではないですか?」

ハリーくん何かやったっけ?…思い当たる事はひとつ


「浄化魔法の事か…」

「多分そうではないかと思われます…」


ハリーくんは、真顔になっていた

しかし、私は詳しい事は分からない…


「あれですか?髪と魔力が関係していて、良からぬ者に悪用されるといけないから、フローレスさんと契約を結んで、防御すると…?そんな感じでしょうか?」

フローレンスさんもハリーくんも、硬い表情で黙り込む

否定しないのは、肯定ととるぞ

まぁ、当たらずと言えども遠からずってところか

心底面倒くさい

ハゲの頭にピンクのタンポポ咲かせたろか?というお茶目な思いつきが、大事に繋がるとは

「では、ハゲの頭にクソピンクの髪を乗っけてちょーウケる〜計画は頓挫ですか?」

「何ですか?その奇妙な計画は」

ハリーくんが小声で突っ込んだ

いいね!そういうのは好きです!

「いいえ、そうならない為にも私がお側にいる必要があるのです」

フローレンスさんには何かお考えがあるのだろう

「だいたい、か弱い女性をこんな男どもの中に1人で放り込むとは、悪趣味です」

フローレンスさん、怒りのスイッチ入った?

「いや、私自身は預かり知らぬ事ですが、罪人は罪人ですよ?」

あー何だっけあの事件

多重人格者を裁いた判決

確か、犯罪を犯したのは別人格だから、主人格の有罪は問わないと言われて一時無罪になったけれど、結局は多重人格は全て一個人の人格だから、その責任はあるとされ有罪になったとか、裁判は続くとか…

それを考えると、私もこのクソピンクの人格のひとつかもしれん

私は単なる病気で、リアル過ぎる記憶を入れ替わりの証拠だという方が無理があるだろう

だからといって、見に覚えもないのにむざむざ罪人でございとしおらしく従順なれるほど、人間ができてないんだよ!

「契約というのが、今一つ納得できません

いや、納得というか…この世界での契約という概念が分からないし

私の中では、契約というと婚姻か居住関係しか思い浮かばないんです」

フローレンスさんとハリーくんが『すん』って顔をしてる

勿体ぶっても、単なる無知だなこいつって顔を!その通りです

「えぇ、お察しの通りの無知だからこそ警戒するんです

婚姻とかしかサンプルがないから…婚姻って、結構重い話じゃないですか?」

有り体に言って、理解を求めるのだが

フローレンスさんは

「あら…」

って、何故頬を染めていらっしゃるの?



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