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扉を開けると

結婚式だ

誰が何を言おうともな!


扉を開けたその先にあるのは、

蛇姫の望んだ道

龍王に望まれた道だ


「さて、ここから先は貴女の世界だ」

と、私が言うと

「はい」

と、姫さんは答えた


「では又、会える事を祈ります」

と、我らは答え


ブル・ケルベロス三兄弟を

「お前らも、行け!」

と、扉の中に蹴り出す

この扉で、我らは遮断される(約1名を除いて)


よく分からないまま、結婚式の中に出された、ブル・ケルベロス三兄弟は

その場の雰囲気のまま、蛇姫ナーガさんを護衛し

無事、執事ことナーガ父に送り届ける事ができたようだ


「お、お父様…」

と、ナーガさんが声を詰まらせるた


執事は、ナーガの手を取り

龍王の元へと歩む


「…あぁ、夢のようだ…」


と、執事としてより、ひとりの父の声として呟いた

その言葉が、独り言よりも大きく、他のものにも漏れていたことに気づく


その、心からの独り言を聞いた

ブル・ケルベロス兄弟が顔を背けて隠す涙と

隠しもせず、滂沱の涙をこぼす龍王と


「あゝ、龍王様を私が支えねば…」

と、去っていく娘が、繋いだ手を一瞬

ギュッと握って行ったことに

執事は

悔しげに振り向き


「やられましたな…」

と、扉の外のエベスに言った

 

『幸せそうで、何より!』

と、エベスに返されて


泣き笑いを自覚する執事であった




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