新たな国(エベスにとっての…)
『こ、これは?』
ケルベロス?のような…?
3つの首に巨大な身体
でも、その顔は
「ぶ、ブルドッグ?」
今まさに語ろう、エベスの前世は、無類のブル好きであった
どれくらい好きかと言うと、
初対面のフレンチ・ブルドッグが
道の向こうから、周知の友のように駆け寄ってくるくらい
本命のブルドッグに会った時には、飼い主さんの「触って良いよ」という許可を得て
しばらく、普通に撫でていて、大丈夫と見るや否や頬ずりする
プルプルする、ブルドッグの頬やら何やら、粘膜やらを堪能して
「ありがとうございました」
と、感謝するくらいの、ブルドッグ好きである
ブルドッグには、お尻を向けられただけではあったが…
しかし、お尻を向けられても、くっつけてくるその子が可愛くて
背中を、撫で撫でするくらいの、ブル好きではあった
『首3つ…』
前世のエベスは、キング○ドラ崇拝者でもあった
腕と思われる上腕はなく
首を3つ持ち
輝く翼と、尾を持つその姿は
何よりも美しく、神々しいものだと思っていた
エベスは、パニックに陥った
可愛くて神々しいものが、存在する
平伏すべきか、愛でるべきか?
逡巡する間も無く、エベスは本能に従う事にした
ただ、ひとつ
『触ってもいいですか?』
という、最低限のの礼を尽くし
それに関しての了解が出たのであれば
エベスに迷いはない




