ある意味、お目汚しでございますが
「フェルトさん?」
あの、おじいちゃんを知っているのは、あなたですよね?
「あの、じいさん誰?」
聞くだろう?ふっつうに聞かれるだろ?
そんな気持ちで聞くと
「いや、あの、あの方は…」
ふーん、『かなりの手練れと見た』とか、言わないといけませんか?
繭をご堪能されてますかも?ですが
「かっこつけ爺さんやけど、有名人みたいやで」
スーさんでも知ってるんだ
「で?」
フェルトさんが、非常に落ち込んでる
でも、促されて話す気持ちになってくれた
「あ、あの方は、大国でトップクラスの魔術のマスターと…聞く」
「ふんふん、それで?」
「それ、聞いたことあるで〜」
スーさんも、知ってるのなら、ものすごく…ものすごく有名人?
「そ、それがあれ程簡単に…」
めんどくさい
心底めんどくさい
「お疲れやったんと違いますの?
ほれ?」
と、スーさんに促すと
「えー?爺さんと入浴シーンって、誰得?」
とか言いながら、繭の中を映し出してくれる
のんびりと湯に浸かる爺さん
『ほー』とか、『うぅ〜ん』とか
のんびりとされてます
でも、さすが魔術師マスター
こちらから見ている気配に気づいたようだ
ポッと頬を赤らめると
「いや〜‼︎」
と…
お湯をかけたのか?魔力が使えたのか?少女か?
爺いの恥じらう姿こそ…誰得?
「…見たくなかった‼︎」
フェルトさんの、本意は知らねど
我々はやれやれだ




