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腹が減っては戦はできぬ

根っこ(毛根?)のところはどうあれ

目の端に映り込む、忌々しいクソピンク頭のふわふわからは、少し解放されたので満足だ

カットの技術も良いと思う、ありがとう

針山もいくつかできそうだ

鬘屋さんのご主人からは

「良いお取り引きができました」

と言われ、

物言いたげな助手の方々はスルーして

髪の毛の問題は解決したことにする

髪が伸びたら、その時考えよう



さて、次にやる事は


『腹が減った』

ついに減った

減ったと自覚した

居ても立っても居られないほどに


「えっと、フェルト様?」

「何だ?」

「食料っぽいもので、何か支給はありますか?」

「無いとは言えないが…」

あっそう、あるんだそれは素敵

「何がありますか?」


フェルト様が促すと、粉?油?塩?みたいな物が運び込まれた

結構な粉物の量

どこのパン屋だ?

パン屋を開けってか?

パンが無理なら、チャパティを焼けってか?焼けるか!

ネットで検索、お手軽レシピがあるわけじゃなし、大事故起こすわ


「次回は、あるのでしょうか?」

「何か不足か?」


「そうではありませんが、ここから作れと…?

材料的な意味での不足分は、何を作るかによって精査しなくてはいけませんが、

腹が減っているので、もう一度台所に戻ります!許可を?」


「いや待て!今日の分はある

夕食は、ここにいる者の分も含めて用意してある」


「嫌がらせか?勿体ぶってるのか?

いずれにせよ、有り難みが薄れた気がします

それでも感謝致します!」


フェルトさんは

「いや、大丈夫だ

食事を運ばせよう」

と、言って静かに指示を出した




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