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物は使いよう

この1日にして、ストレスが溜まっていたようだ

反省は…しよう!なぜなら…


ハリーくんが

「皆さん、これ飲みませんか?」

ハンスくんも

「どうぞ」

と言って、経口補水液を配ってくれているから


腹の中で煮え繰り返った思いを飲み込んで、対処していかなくてはいけない時ってあるね

勉強になります


フェルト様が

「そうそう、鬘を扱う店の主人に連絡がついた

もうすぐここに来るはずだ」

「お仕事が早いですね、

それとも、見せしめに髪でも切る手筈が整っていたとか…?」

フェルト様、無言は肯定ととりますよ?

「どちらでもいいです

結果的には同じ事ですよ」


フェルト様は、ため息をついた


鬘屋の主人は初老の男性で助手を2人連れてやって来た

1人は女性で、1人は少年だった

主人は穏やかそうに微笑んでいたが、助手たちは憮然とした表情だった

悪名高かったんだろうなこいつ(今は自分か)

さっさとズバッと切っちゃってください


助手の女性は、落ち着いた大人の雰囲気で、髪はこの人が切ってくれるらしい

「よろしくお願いします」

と言うと、ビクッと反応した

それでも無言で髪をすいている

絡まないね、頑張って手入れしたもらっていたのかな

他にやらなきゃいけない事があっただろう?と思いながらも、この身体に着任早々やらかしている私も私だ

呪いか?クソピンクの呪いか?

では、それを刈りとって、呪いをばら撒くのか?それはどうなのか?

「もっと、動揺されているのかと思いました」

「えっ?動揺?しておりますよ?」

動揺ってどーよ?…くだらない

「そうですか?笑っておられましたから…」

おー、ヘアサロントークみたい

「楽しいですよ?」

「ご自身の髪を切るのがですか?」

「はい、楽しみです

本当は自分で切っても良かったのですが、売り物にするためには、技術を持った方にお願いするのが合理的です」

何か手が止まってる?鏡がないから表情は分からない

「とにかく、短くしてください」

とお願いすると

「あまり短いと鬘が作れません」

そう来ると思った…逆だよ…言い方が悪かったな、ごめん

「いえ、その逆です

私の髪を短くして、鬘に出来るだけ回しましょう

髪括るのでしょ?ハサミが入るギリギリまで、ズバッと切ってください」

何か相談してるな?

「では…」

髪を括る感触がして、サクサクと音がして髪が頭から離れていく

「切り終わりました…見ますか?」

「はい、お願いします」

おおー、これは見事な大量のピンク

これが何人のハゲの頭に登るのかと思うと笑える

「また、笑って…」

困惑した女性の声

髪切り終わったから、振り向いてお礼を言う

「ありがとうございました」

「いいえ…仕事ですから…」

「では、お仕事ついでにもう一つお願いしても?」

フェルト様が、その会話を聞きつけて

「何だ?何か他にあるのか?」

と、問いかけてくる

そうです、もうひとつの企み

「もっと、こう男の子みたいに刈りあげて

その髪を…」

「その髪を?どうするつもりだ」

「丸めて針山の中に入れて売るっていうのはどうでしょう?」





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