嫌になったら、逃げたな?嫌々、残された人はどうするのか?
ぼうっとした頭の中に、響くような漂ってくるような
「…を廃嫡して、平民とする!」という声
…?うん?何だ?何が始まった?
でも何となくこれは、知ってるぞ
悪役令嬢断罪イベントからの、ザマァだ
誰?ザマァされたの誰?
控え目に、辺りを見回すと…目の前にチラチラと、ピカピカピンクのふわふわが…何これ鬱陶しい!
しばし、ふわふわを払っていたら、あれ?これ髪の毛?引っ張ってみたら…痛いわ
「まだ、自分のしでかした事が分かっておらぬとは…愚かな娘よ」
地の底から響くような声に顔を上げると…目が合った
王様っぽい人と目が合った、めっちゃ冷たい顔してるねぇ、
という事は
『断罪されてるのは、私か〜!!』
さて、
『縁は異なもの味なもの、と申しますか、現在ドナドナ真っ最中でございます私、私のお隣に
さめざめと泣いておりますのは、王子、多分王子だった人、次期国王を期待され、
ヘマやらかして廃嫡され
今、まさに平民となろうとしている少年でございます
ここはどうやら、異世界のお話のようで、観るもの聞くもの違和感が半端なく、自分自身のこちらでの名前すらわからず、何やらかしたのかも知らず、自分の立ち位置すら分からないまま、断罪の旅に出るようでございます
しかも、断罪の最中に、他人ごとのように髪の毛いじっていたとは、バカ丸出しではございませんか』
あまりの展開に、面白い夢の中のことを実況してみたは良いが、微妙に滑っていた
『あなた誰?何してる人?』と、聞いてみたいところだが、
少なくとも彼は自分のことを知っているようだ
私自身の記憶にはないが何かをやらかした共犯ってことか?
王子で、廃嫡された人っぽいことは分かるが、詳細は何も知らない
どうしたものか、泣いてるし…しばらく、そっとしておくか
「おい!」
…『何やねん?』と、古ぼけた馬車の外の声に反応する「はい?」
「…着いたぞ…?」
イントネーション間違えたか、訝しんでいるようだ
「はい」…どこに?知らんけど
馬車のドアが開いて、厳つい兄さんが顔を見せる
「出ろ」
「あ、はい」
さてどうしたものか、とりあえず出るか