魔法の勉強
「ねえ、テオ。色々まだわからない事だらけなんだけど。」
スタスタ前を歩くテオに苛立ちながら尋ねた。
「テオ貴方は何者なの?」
「俺は隣国の王子で、大魔法使いなんだ。」
私は驚いた。
「え?使いじゃなくて王子様?!」
「ああ。そうだ。それと使いは使いでも魔法使い(笑)」
「ちょっと!ふざけてる場合じゃないの!」
「はは!悪かった。悪かった。そして賢者でもある君のお祖父様に魔法を習ってた時期もあったんだ。」
「そうだったの?! 」
「転移の魔法が使えるのは数少なく、年齢も若くないといけない。だから僕が行くことになったんだ。」
「テオ…。ごめんね、私の為に大事な時間を犠牲にしてしまって。」
「いいんだよ!したくてしたことだし!」
「え?したくて?」
「いや、なんでもない」
そんな話をしていたら部屋についた。
「じゃあ、国王様から許可も頂いたことだし明日から魔法の特訓だからな!」
「わかった。ありがとう、テオ」
バタン。ドアが閉まった。
「…おい、ブーロンいるか?」
「はいはいさー!ここにいるよん、ご主人様!」
その声は足元から聞こえた。ブーロンの正体は白蛇だ。
「元気か?ブーロン」
「元の世界に戻ってご主人様が身体から出て行ってくれたから自由を楽しんでるぜ!」
「はは。それは良かった」
「どうしたんですかい?」
「いや、なんか俺おかしいんだわ。レーラのドレス姿見た時も、レーラが触れた時も心臓痛いし、熱っぽくなるし。レーラは何か特殊な魔法をかけてるのか?」
「………。っブッ。ワハハハハッハッ」
「何がそんなに可笑しい。」
「お互い鈍いにも程がある(笑)ハハッ恋だよ。ブハハッ」
テオは顔が真っ赤になった。
「んなっ。恋?そんなわけ…」
「ハハッてか、危険犯してまで転移した時点でそうだろ(笑)」
「ちっちがう!あれは恩返しの為だ!」
「よーー!チェリーボーイ!」
ガゴッ。「イテッ」テオはブーロンにげんこつをして部屋に戻って行った。
(恋…か。)