テオと再会
テオ(ああ。舞踏会が始まってしまう。急がなければ。)
テオは急いで王宮に向かっていた。
(やっと転移魔法の副作用が抜けてくれた。思ったより時間がかかった。)
テオは王宮に着き扉を開けた。
「きゃー♡誰?あのお美しい殿方は!」
公爵令嬢たちの黄色い声が聞こえてレーラは振り返った。
そこには、ブロンドの髪をなびかせ彫刻のように美しい完璧な彼がいた。
「レーラ、遅くなって悪かった。気分はどうだ?」
テオは私を見て何故か目を逸らしてそう言った。
「テオ!! どこに行っていたの? 聞きたいことが山ほどあるの!」
「転移の副作用で動けなくなっていたんだ。」
「?! 大丈夫なの? 」
「あ、ああ。大丈夫だから、ちょっと引っ付きすぎ」
私は思わずテオに身体を近づけていることに気付いて恥ずかしくなった。そういえば、あっちの世界では触れてはいけなかったから、初めてテオに触れた。
「話は後でゆっくりと。まず俺と踊ってくれませんか?」
テオは完璧な顔を手の甲に近づけキスをしてそう言った。私は動揺して顔が熱くなってきて、
「も、もちろんよ!」
と答えた。
テオの手は私の手を包み込めるくらい大きくて華奢だと思ってた身体は大きくて、ドキドキが止まらなかった。
(男性経験ゼロだから女の子と間違えたテオでさえこんなドキドキするなんて。うぶすぎるぞ私!!)
と自分に喝を入れた。レーラは色恋事がなさすぎて超鈍感なのだ。
それを見ていた王子達は
「うわぁ、あの男羨ましい。レーラ姫と仲良く喋って踊ってるなんて。」
と言い、令嬢達は
「悔しいですが、美しいお2人は絵になりますわぁ」
などと注目のマトであった。
舞踏会も終わり、テオは私に国王と3人で話したいと言ってきた。
「国王様。あの時は私が転移する事をお許し頂きありがとうございます!」
テオは深々と頭を下げた。
「久しいのう、テオドール。先ずは2人とも無事でよかった。」
「ありがとうございます!」
私とテオはそう言いお辞儀した。
「そこで国王様。1つお願いが御座います。」
「うむ。なんだ。」国王は少し構えた。
「私をレーラ姫の魔法講師にして頂けませんか。」
私も国王もポカーンとした。