舞踏会
「おはよう。レーラ」
お母様が美しいピンクの髪を揺らして私の部屋に入った。
「おはようございます。お母様」
「レーラ、もうすぐ王宮舞踏会よ!たっっくさんドレスを用意したの♡ 一緒に選びましょう!」
お母様はウキウキした様子で私をドレスルームまで連れて行った。
「きゃーーー♡ レーラちゃん可愛すぎよう♡」
私は何度も衣装替えをして顔が疲れていたが、このドレスはなんだかしっくりきた。
「お母様!私もこれが良いと思うわ」
私の目と同じ優しいミルクパープル色のドレス。
ヒラヒラしたドレスはシンプルで体のラインをスッキリ見せて、女神様みたい。
「あのね、レーラ。この舞踏会には各国の王子が来ることになっているの。レーラには兄弟が居ないから貴方が次期女王になるわ。貴方を支えてくれる良い王子を見つけることも舞踏会の醍醐味なの。」
「私、全然考えてなかったわ。あっちの世界では結婚はまだまだ先のことだったし、7歳までの時はまだ国の将来の事を考えてもなかった。」
「そうね。すぐに決めてとは言わないわ。少しだけこの事を心に留めて欲しいだけだから」
「分かったわ。お母様」
舞踏会当日
「レーラ姫ってどんな方なのでしょうね」
「きっとあのお母様の娘さんだから美しいよ」
「けど聞いたところによるとお父様の影響で体力50000らしいよ。」
「え、もしかして筋肉モリモリのマッチョだったりして(笑)」
「おい!失礼な事言ったらやばいぞ!」
ザワザワ。
宮内はレーラ姫の話題で持ちきり。
「レーラ姫ご到着です」
その声に王子達、公爵令嬢達、官僚達は一斉に扉の方に振り返った。
ガチャン。
レーラは美しい髪とドレスを揺らし、颯爽と入場した。レーラのあまりの美しさに皆凝視し動けなくなっている。
(あれ、みんな私を見て固まってる。なにか変なのかしら。)
「皆さま、本日は遠方からブリアント王国に来てくださりありがとうございます。そして長い旅を終え無事舞い戻ってきた我が孫娘レーラを温かく迎え入れて頂きたい。」
お祖父様がそう言うと、周りから拍手が鳴った。
「ありがとう。それではこれより舞踏会を始める!存分に楽しもうではないか!」
その言葉を合図に楽団の音楽が鳴り響き、舞踏会は始まった。