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勇者父は親バカ
「お父様!修行用キューブありがとうございました!」
「うむ。よく修行できたかい?」
「はい!」
「レーラ、本当に大きくなった。7歳の時別れてからお母様とずっとずっと待っていたんだ。すごく長かったよ。
こちらから転移するには年齢が若くなければいけなくてね。せめて良い人にお世話になれるように、こちらから念と魔法を送っていたんだ。」
ーあ、だからお爺ちゃんは声が聞こえたんだ。
「ありがとう!お父様。私はあっちの世界でも幸せだったよ!」
そう言うとお父様は感激したらしく、
「あーー!マイエンジェルー♡」
と言って緩んだ顔で抱きつこうとしてきた。
(あ、そうだったこの夫婦親バカだった)
とっさに横にずれたらお父様は転んでしまった。
「あら、お父様ごめんなさい☆」
(娘が反抗期ダァー(泣))
と嘆くお父様をよそに私は私室に戻ったのだった。
それにしてもテオはどこに行ったの?