お寺とお爺ちゃん
はぁ、今日のサアヤにはヒヤヒヤした。
そう。テオはこの世界の人間に触られると元の世界に戻ってしまうらしい。私も出会って3年程一度も触れたことがない。
「ただいま〜」
お寺に入り自分の部屋へと向かう。その途中、お爺ちゃんに呼び止められた。
「わかな。ちょっとこっちに来なさい。」
お爺ちゃんの部屋から声が聞こえた。なんだろ。
「どうしたの?お爺ちゃん」
部屋に入るとお爺ちゃんは真剣な面持ちだった。
「わかな。明日18歳になる。」
え?私の誕生日はわからないはず。
「このお寺は昔から色々な世界の者たちが訪れる。霊界。鬼族。妖。異世界の者たち。」
え、え、そんなファンタジーな事ある?!
テオが現れて少しはそうゆう世界もあるのかななんて理解してたけど、まさかこのお寺も?!
動揺が隠せない私にお爺ちゃんは、
「動揺させて申し訳ない。わかなはその異世界から来たんだ。そして明日18歳になる。11年後のこの日に元の世界に戻るまで面倒を見て欲しいと、何処からか聞こえてきたんだ。」
とゆうことは、テオが言ってたことは本当だったの? 私はレーラなの? 頭がぐるぐるしてきた。
「じゃあ、お爺ちゃんとお別れになるの…?」
「……ああ。」
私はお爺ちゃんと過ごした日々を思い出して涙が出てきた。
「お爺ちゃん…。ひっく。お別れなんて嫌だよう。」
お爺ちゃんは私を抱きしめて、
「あっちが辛くなったら帰っておいでね。」
と泣き止むまで抱きしめてくれた。
一晩中泣いて覚悟を決めた私は、自分の部屋を片付けて学校へ行く準備をした。
「お爺ちゃん、元気でね。いままで本当にありがとう。」
そう言ってお寺を後にした。