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Shadow of Prisoners〜終身刑の君と世界を救う〜  作者: 田中ゆき
最終章

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334/341

番外編・ホワイトバレンタイン②

昔は嫌いじゃなかった。

ああ、ホワイトチョコの話だよ。


気づいたら嫌いになってた。たまにあるだろそういう食べ物。

味覚の変化か何なのか、とにかくあの味がさ、好きじゃなくなったんだ。


その昔のバレンタインの日も、ベルさんは俺にホワイトチョコをくれた。


『スー君!』


ベルさんが満面の笑みで、今より更に幼い俺にそれをくれて、俺はニコニコしながらそれを開けて、可愛いスノーマンの形に固められたそのチョコを見て、(うっホワイトチョコだ)って思ったんだけど……


嫌いになったとは、言えなくて……


彼女の前で、それを食べる。


『美味しいです! ありがとうございます!!』


それからもずっと、ベルさんは俺にスノーマンをくれる……。




次の日も、俺はベルさんの家に訪れた。


「ベルさん、昨日はありがとうございました」

「うん? ああ、バレンタインですか。いえいえ、全然大したものではありませんから」

「………」


ホワイトチョコは苦手だと、一言いうだけなのに…。

そうすれば、「ああ、そうだったんですね。すみません! 来年は違うのにしますね!」なんて言って、簡単に済む話のような気がするのに。


どうせ友達の子供にあげる義理チョコだよ…

俺に何言われたって、ベルさんが気にしたりするもんか。


それもまた寂しい……

ハァ……自分で深追いしてるだけだってこれ……


ああ、もう……


「どうかしましたか?」

「いや、その……」


ベルはきょとんとした様子でスノウを見ている。スノウは2回りも歳上の彼女が、気になって仕方がない。

同年代の女の子に何の興味もない。彼が恋心を抱くのは、母親の親友の彼女だけだ。


「どうして…」

「?」

「どうして毎年……スノーマンの形なんですか?」


スノウがしぼりだした言葉はそれだった。


(いや! 確かに気になってはいたけど!)


「え?」


ベルは一瞬なんのことかわからなかったが、すぐに自分のバレンタインプレゼントなことだと気づいた。


「だってスー君が…」

「うん?」

「毎年スノーマンがいいって」

「え?」


2人は顔を見合わせ、しばらく瞬きを繰り返す。


「俺、そんなこと言ったことありませんけど…」

「スー君じゃなかった?!?!」

「はあ?!」


ベルは頭を抱え、間違えた!!といった雰囲気を醸し出した。


「え? 俺にくれるやつじゃなかったとか…?」

「いえ、スー君にあげるチョコで間違いはないんですけど…」

「…?」


スノウは首を傾げて、ベルはどうどうと自分を落ち着かせるような素振りをとった。


「ベルさん、どういうこと?」

「いや、その……」


ベルはしまったぁ〜……という顔をして、彼から目を反らした。


スノウはまだ知らなかった。自分が時を操る能力があることを。別の未来でベルと婚約までしたことを。


「話してよ…」

「いや、あの…気にしないでください! もしかしてスノーマン、好きじゃありませんでした?」

「いや、そういうわけじゃ…」


好きじゃないのはホワイトチョコです……とは言えず。


「スー君、自分の名前の由来を知っていますか?」


(うん? 何だいきなり…)


スノウは不思議そうにベルを見ながら答える。


「え? 雪じゃないの…?」

「そうですよ」


ベルはにこやかに微笑んだ。スノウは、だから何だという面持ちだ。2月で冬生まれだからじゃないのか? 父さんは確か、母さんがつけたんだよと言っていた。名前の由来なんて聞いたこともない。興味もなかった。そしてもう、母さんには聞けない…。


「ベルさんは知ってるの? 俺の名前の由来」

「はい! ヌゥさんに聞きましたから」


ベルは話を始めた。


俺たちの住むユリウス大陸とは別に、海の向こうにナルシア大陸という場所がある。名前はよく知っている。学校で習うからだ。でも行ったことはない。海外旅行なんてまだしたことがない。まだ俺も子供だし、父さんも忙しそうにしているし、母さんは寝たきりだし、そんな話が出たことすらなかった。


まあとにかく、ナルシア大陸という場所があって、そこにはエルスセクトという雪降る街があるのだとベルさんは言った。その街までは知らなかった。ユリウス大陸の国を覚えるのがやっとだ。ナルシア大陸の街まではさすがに、覚えちゃいなかった。


「そこにはシィトルフォスという観光地があるそうですよ。雪山の中に温泉があったり、氷で出来た洞窟があったり、たまにオーロラも見れるそうですよ。エルスセクトにスー君のお父さんと行ったことがあるんです。雪山もちらっと見ました。すごい迫力でした!」


ベルさんは楽しそうに話をした。俺もすごく興味があった。

だって、ユリウス大陸じゃ雪なんて滅多に降らないし、降っても積もるようなことなんてないからだ。


「ヌゥさん、エルスセクトで初めてアグさんを好きだと気づいて、シィトルフォスの氷の洞窟で告白をしたんですって」

「へぇ……」


両親の馴れ初めなんて聞くの、こっ恥ずかしいな…。

だけど俺は、知りたくなった。だって2人が恋に落ちなきゃ、俺は産まれていないのだから。


「ヌゥさん、そこで初めてまともに雪を見たそうです」

「そうなんだ」

「セントラガイトは滅多に降りませんからね」

「まあ確かに」


確かに俺も、まともに見たことないな…。雪が積もってるのはクリスマスの絵本の中だけだったよ。


俺の名前はスノウ。どうして俺は、雪なんだろう。


「雪はヌゥさんにとって、すごく大切なものなんだそうですよ。だから自分の命より大切なスー君を、スノウと名付けたんです」

「何で雪が大切なの…?」

「うふふ。それはまあ、もっと大きくなったら話してあげますよ」

「うん?」


ヌゥは昔、ベルに言った。確かにあの日スノウが、自分のお腹にやってきてくれたんだと。

その日も雪が降ってきて、まるで自分に会いに来てくれたみたいだったと。


ヌゥはある時、記憶をなくしていた。アグと愛し合った日のことも覚えていなかった。だけどカルベラにお腹の子の名前を聞かれて、スノウなんてどうだろうかと話をした。


『何だか雪はね、俺にとって大切なもののような気がするんだよね』


ヌゥの心の中ではもう決まっていたんだろう。この子の名前はスノウ。あの雪降る街で、自分のところに来てくれた愛すべき命だ。


ヌゥとアグの2人が産まれる前、リアナとラディアが生きていた時から、ずっとそばにいてその時を待っていてくれた、そんな君は『雪』に違いないと。


一見すぐに溶けてしまって儚い雪、だけどもその街では、永遠に溶けることはない。そんな風に強くて、美しくて、優しい、それがヌゥにとっての雪だ。



『スー君』


今でも俺は覚えている。

そんな記憶あるはずないのに、よく聞こえるよ。

母さんが俺の名前を呼ぶ声が。




「そう言えば、まだ4歳のスー君が言ったんです。本物の雪だるまが作りたいって」

「……」


(そんなこと言った覚え、ないけどなぁ…)


しかしスノウは黙って話を聞く。


「そうしたらスー君のお父さんが言ったんです。じゃあ呪術で雪を降らしてやろうかって。私もたまたまそこにいました。スー君は喜んでお願いしたんです。そしてスー君の家の庭にだけ、雪が積もったんです」

「……」


スノウにそんな記憶はない。仮に4歳の記憶が曖昧なものだからって、さすがにそんなことを頼んだ覚えはない。それはわかる。


(何の話をしているんだろう……)


「私とヌゥさんとスー君で、雪だるまを作りました。雪合戦もしました。頑張ってかまくらも作りたかったのですが、そこまでは積もっていませんでした。そしてアグさんは力尽きて、気絶しました」


スノウは父が呪術を使えることは知っている。他にも色んな術を使える。表立ってむやみに使うことはないけれど、必要に応じてだ。そして父は、それを使いすぎると、気絶するのだ。


「そうしたら雪もすぐに溶けてしまいました。せっかく作った雪だるまも、無残に溶けてしまって、スー君はわんわん泣きました」


懐かしい。それはベルが見た、しかし今のベルではない、ベルの思い出。そこではヌゥも元気に生きていて、ベルと一緒に泣きじゃくるスノウをなだめた。


やがてベルは自分の家に帰ったが、心配になってヌゥに無線を繋いで連絡をとった。


「スー君大丈夫ですか?」

「大丈夫大丈夫!」


とヌゥが答える後ろで、スノウがアグに向かって駄々をこねている声が聞こえる。復活したてのアグにもう1回雪を降らせとギャーギャー騒いでいる。


「大丈夫じゃなさそうですが…」

「雪だるまが溶けたのがショックだったみたいでね。僕のスノーマンが死んだ〜って騒いでるだけ」


無線越しのスノウの騒ぐ声がまだ聞こえる。


「こらスー君! もう夜なんだから騒がないの!」

「うわーーーんん!!!」


騒々しいテリー家の様子が目に浮かんだ。


ピーっとお風呂が沸いた音が聞こえた。ヌゥは無線を持ったままそれを止めに行く。


「ごめんねベルちゃん! 本当に大丈夫だから! 風呂沸いちゃったから、もう切るね! また明日!」

「お、おやすみなさい」


切れた無線を見つめたあと、「そうだ!」と何かを思いついたベルは、キッチンに向かった。



そして次の日、ベルは幼きスノウ少年に、それをプレゼントする。雪の結晶の柄がついた小さな袋だ。蛇腹折にした袋の口は、金色の針金でねじってとめられている。


「ベルちゃん、これなあに」

「うふふ。バレンタインですよ、スー君! ちょっと早いですけど…」

「??」


スノウは小さな指でそれを開ける。中に入っているのはスノーマンの形をしたホワイトチョコレートだ。


「うわああ!! すごい! 僕のスノーマンだ!!!」

「うふふ!」


スノウが喜ぶ様子を見て、ベルも微笑んだ。


「母さん見て!」

「うわあ何それ! すっごいね!」


スノウは少し離れたところにいたヌゥの元に駆け寄り、それを自慢下に見せた。ヌゥはスノウの手を繋いでベルのところにやってくる。


「ありがとうベルちゃん。これもしかして、わざわざ作ってくれたの?!」

「はい。そんなに大したものじゃありませんけど」

「いやいや! プロじゃん、この出来映え!」

「うふふ。早いですけど、スー君へのバレンタインです」


ヌゥはスノーマンのチョコレートをもう一度見ては、興奮したように声を上げた。


「母さん、バレンタインって何?」

「ああ、女の人がね、男の子にチョコを贈る日なんだ! スー君ももうチョコ食べれるようになったもんね!」

「へぇ〜」


スノウは目を輝かせてスノーマンチョコを見ている。無垢な子供の喜ぶ姿は、何とも感極まりないというものだ。


その日スノウはすっかり喜んで家に帰った。スノーマンチョコは食べずに、スノウのお気に入りのおもちゃの入った宝箱に、大切にしまわれた。


「ちょっとスー君、早く食べないと溶けちゃうよ?!」

「えー? だって勿体無いんだもん!」

「もう! 溶ける前に絶対食べないと駄目だからね!」

「わかってる!!」


スノウは宝箱をパカパカ開け閉めして、スノーマンを眺めては満面の笑みを浮かべていた。




「ベルちゃん! またスノーマンちょうだい?」


ある日、チョコを食べきったスノウはベルに再びスノーマンを懇願する。見かねたヌゥはスノウに言う。


「こらスー君! バレンタインは毎年1回だけ!」

「ええ〜? そうなの?」

「ふふ。また来年もあげますよ、スー君」

「うん。じゃあ毎年スノーマンちょうだいね! 絶対だよ!!」

「はい」



それはそんな、何の変哲もない、もう消えた世界での思い出。

この世で誰も知らないその約束を、守っていたのはベル1人。


スノウはそんな話を聞いて、幼い脳をフル回転させるけれどさっぱりわからず、首を傾げる。


「それ、何の話ですか…?」

「私の夢の話です!」

「夢……」


ベルさんて……変な人だよなぁ……


スノウにはそのくらいしか、感想はなかった。


「じゃなくて、ホワイトチョコ!!」

「はい?」


スノウは声に出してしまってから、ハっとした。


「いや、その……違うんです……」


弁解しようと試みるが、ベルは気づかずに話しだした。


「ホワイトチョコは、『あなたのことが純粋に好きだ』という意味です」

「え…?」


ベルはそう言いながら、ちょっと照れたような顔を浮かべた。それを見たスノウは、完全に顔を真っ赤にして、たじろいだ。


「べ、ベルさん。それってどういう……」

「あ! すみません! 今日はこのあと用があるんです」

「え?」

「仕事帰りのメリさんを診察する約束なんです! もう行かなくては!」

「え? いや、ちょっと……」


ベルに明らかにはぐらかされ、彼女が逃げようとしているのがよくわかる。だけどスノウは呆然とするばかりで、何も言えずに彼女が準備をするのを見ているだけだ。


「ほら、スー君ももう帰ってくださいね」

「あ…は、はい…」


追い出されるようにベルの家から出た。ベルは玄関の鍵を閉め、スノウの方をちらりの見ると、いつもの屈託のない笑顔を彼に向けた。スノウは完全に心を掴まれた。


ベルと分かれ、いつもの慣れ親しんだ帰り道をスノウは歩く。心臓はバクバクしている。さっきからまるで鳴り止まない。


(どういう意味? どういう意味…?)


ベルさん俺のこと好きなの…?

いや、そんなわけないんだけど…

ねえ、どういう意味…?


頭が興奮と空頼みに襲われて迷走したまま、家にたどり着く。


「だから、あんたが帰ってこなかったから逃しちゃってんのよ! 先月は!!」

「だってベーラさんがアマリアまで行けって……」

「おい。夫婦喧嘩なら外でやれよ」

「別に喧嘩してないし! ちょっともう、スノウ何やってんの? 門限決めてないの? アグあんた、父親ならもっとしっかりしないと……」


家に入ると、メリさんとソヴァンさんがリビングにいた。父さんはキッチンで作業中だ。スノウは怪訝な顔を浮かべる。


(あれ……)


「あースノウ! ちょっとあんた、どこ行ってたのよ〜!」

「おかえりスー君。お邪魔してま〜す」


グリンスタの2人はスノウに挨拶をした。スノウは軽く会釈をする。


「何でメリさんたちいんの?」

「え? 鍋が余るの嫌だから誰か呼べって言ってたろ」

「言ったけど…」


(俺はベルさん呼んでって言ったんだよ〜……)


はぁ……まあいいけど…。

ていうかベルさん、俺に嘘ついたのかよ…。

何で嘘ついてまで俺を追い出したんだよ。

やっぱりホワイトチョコに、意味あったのか…?


『ホワイトチョコは、『あなたのことが純粋に好きだ』という意味です』


「ハァ……」


スノウは皆に聞こえるような大きなため息をついて席に座った。


(純粋に好きって何……?)


スノウのため息を見たあと、メリとソヴァンは顔を見合わせる。


「ちょっとあんた、何かあったの?」

「ありませんけど……」

「あ、もしかして思春期ってやつですかね! 可愛いなあ〜」

「はぁ……」


スノウは再びため息をつく。


アグは完成した鍋を持ってリビングにやってきた。キムチ鍋だ。テリー家はいつもキムチ鍋だった。それが2人共好物なのだ。


「うわ〜美味しそう〜!!」

「いただきま〜す!」


早速4人で囲んで鍋をつついた。他愛ない雑談をしていると、スノウは尋ねた。


「ねぇ、何でベルさんって結婚しないの」

「ちょっとスノウ、お姉さんたちのデリケートなところに首突っ込まないの!」

「もうおばさんだろ」

「こら、アグ!」

「大丈夫だよメリ。おばさんになってもまだまだ可愛いから〜!」

「おばさん言うな!! そしてらお前らももうおっさんなんだからね!!」

「で、結局何でしないの?」


話が進まないので、スノウは再び尋ねる。


「さあ〜。好きな人がいないんじゃな〜い?」

「今まで一度もいないんですか?」とソヴァン。


するとメリはニヤついて言った。


「ベルって昔ね、アグのことが好きだったことあるのよ!」

「は?!」

「えええ?!」


メリの暴露にアグもソヴァンもびっくりしたような声を上げた。そしてスノウは、声すらも出なかった。


(な、な、何ィ〜〜?!?!?!)


スノウはバっと自分の父親を睨むように見た。


「いや、それはないだろ」

「ほんと鈍感ね! はたから見ててもよくわかったわよ!」

「そんなことありました?」

「あんたが入隊する前の話よ」

「へぇ〜」

「ベルにそんな素振りなかったけど……」

「気づかなかったの? 鈍感ね〜!」


メリはケラケラ笑いながら、豚肉を根こそぎつまんで更に盛る。


「ま、まさか今も好きなんてこと…」


スノウはハラハラしながらメリに尋ねる。


「さすがに今はないと思うけど。え? 何? もしかして、ベルにお母さんになってもらいたいとか?」

「そんなわけないに決まってるじゃないですか!!」


スノウは机をバンっと叩いて声を上げながらメリを睨んだ。


「冗談よ! そんなに怒んないでよ〜!」

「メリお前…そのブラックジョークやめろって」

「そうだよメリ。今のはブラックがすぎるよ。ヌゥ、そこにいるんだよ」


ソヴァンは車椅子にて眠るヌゥを指差す。ソファの横に座ったまま、微動だにしない。


「ごめんって〜!」

「ったく……」


スノウは怒っていた。でも本来怒るべきところでは怒っていなかった。


(くっそぉ……ベルさんのタイプ、父さんなの?!)


顔が似てるからイケるってことないかなぁ…。

さすがに子供過ぎて駄目……?

何で父さんなの? 超無愛想じゃん!

頭いいから? ベルさんもいいもんなあ……。

ああ〜もう!! もっと勉強しないとぉおおお〜〜〜!!!


スノウの心の荒ぶりは、結構表にも出ていた。


「ちょっとメリ…スー君すごい怒ってない?」

「ええ? スノウごめんって! 冗談だから許して!!」

「ほっとけ。成長期なんだよ」


心配するメリたちを他所に、アグは呑気に焼酎を飲んでいる。


(それとも酒が強いからかぁああ?!?!)


スノウは躍起になって父親を睨みつけた。


「何だよ…」

「もう! お腹いっぱい! ごちそうさま!」


そう言って足早に自分の部屋に逃げ込んだ。メリとソヴァンは唖然として彼を見ていた。


「思春期って大変なのね…これから気をつけるわ…」

「そうだよメリ……。ああでも、子育てって大変だね…」


そんなことをしみじみ感じたメリとソヴァンであった。






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