第二章1 『王都へ』
びりびりと感じる痺れが、イツキの身体を地道に痛め続ける。何の修行かと思うほど、精神的にきつい状況だ。時折起きる、大きな振動で強い衝撃が与えられる。その都度、骨が打撲を繰り返す。
まだ二時間。あと、八時間近く、これを我慢しなければ――
「いや、しんど過ぎんだろ!?」
「っ!?」
途方もない道のりに思わず声を上げるイツキ。
そんなイツキに驚いて肩を大きく跳ねさせたのは、金髪に翠の輝く瞳を潤わせた美少女、パルムだ。
パルムは突然声を上げたイツキを見つめ、目を少しも逸らさない。
「そ、そんな見つめるなよ……。惚れたのか?」
「違う」
「あはは……」
冗談のつもりが割とマジで返され、傷心する。そんなイツキを見て、少しパルムが笑ったのを視界に入れ、こういうやり取りは無駄ではないと嘆きながらも実感する。などと考えている場合ではなく、問題は消えていない。
今は鳥車による長時間の旅で何度も尻が割れそうになっている。怪我こそせずとも、痛みは感じるので、イツキの奇妙な体質も意味をなさない。
さらに、これからはその四倍近く進まなければならないため、肉体的にも精神的にも相当きつい状態になる。自動車なら数時間くらいの移動は慣れたものだが、この鳥車は勝手が違いすぎるのだ。
車輪は木製で、地面の凹凸に弱く、きちんとした座席がないため、その揺れの衝撃が直に臀部にやってくる。車体が跳ねる度に木製バットでケツバット状態。
その上、王都まで半日近くかかるというのが災難だ。
「ちょっとシル! いったん休憩にしない!?」
パルムといる鳥車の窓から御者台を覗き込み、吹きつく風に負けないようにそう叫ぶ。
御者台で巨大な鳥を操縦する薄い水色の頭髪の少女、シルはこちらに目を向け、何やら口をパクパクさせている。のだが、強風で何も聞こえない。彼女は声のボリュームを上げるつもりはないらしい。それが彼女のイツキ弄りなのか、単に気付かなかったのか、イツキにはいまだに判断できない。
ちなみに、彼女の頭髪の色についてだが、夜は白色、昼は水色と変化するらしい。そのことに今朝、変わりゆくそれを見てイツキは大いに驚いた。最初にフィリセの部屋に訪れ、退室したときの違和感はその頭髪のことだったことも思い出す。
と、
「――おっ、ととととととっとっとっとっとっとっどぅっ!?」
猛スピードで走っていた鳥車が急停車し、姿勢が崩されたままのイツキは車内で振り回され、壁に激突する。
とりあえずシルがイツキの希望を聞き入れたことは理解できるが止まり方にも気を使ってほしかったものだ。
おかげでパルムも、――パルムは、
「なんで無事なんだよ……?」
「これ、使、う?」
「何これ?」
パルムは自らの腰に添えていた何かをイツキに見せる。
それは柔らかく、吸収性のある素材でできており、なるほど腰に添えると楽なものだ。だが、見た感じこれは何か違う。これはこういうための作られたのではなく、もっと何か別の役割があるはずで、形状から察するにこれはかの有名な低反発――
「――枕」
「だよね!? 言っておくけどケツに敷くもんじゃないよ!? それと……」
予想通り、というのも変だが、見たまま枕だったそれを、胡座を搔いた膝に叩きつけながら忠告。それから一息置いて、
「俺が聞きたいのは何故無事だったかだ!」
握り拳を天井へ突き刺し、またしても声を上げる。
イツキの質問は、あれほど揺れた車内でイツキはあちこち打撲しているのに、何故パルムは無事なのか、だ。その質問に対するパルムの答えはふさわしくない。
大きな声で怒っている風の態度を見せるが、別に怒っているわけではない。会話の途中でパルムがくすくすと笑っていたので、その笑顔を保つためだ。
その結果、イツキの悔しそうな顔を見て、うまくいったと思ったのか、パルムはより楽しそうな表情になった。
ガイルの件以来、パルムとの会話が増えて、はいないが、明らかに心を許してもらっている感じだ。これから一年近くは一緒にいるわけだから、イツキとしてはもっと近づいておきたいのだが、この状況でも十分進歩だ。
「で、なんで無事なのさ?」
「――光の魔法ですよ」
改めて、何故と問うと、その質問に答えたのはパルムではなく、御者台から移り込んできたシルだ。
「ひかりのまほー?」
「ええ」
シルは入ってくるなり、まだ頬が緩んでいるパルムを胸に抱き、その場に座る。
その姿にもいい加減見慣れてきたイツキは、何も言わず、いいなぁと思いながら話を続ける。
「光の魔法って魔法使うための魔法じゃないの?」
「確かにそうは言いましたけど、それだけじゃないです。というより、むしろそれがおまけです」
「つまり?」
「そもそも光の魔法とは、魔導士という種族が持つ特殊なマナによって起きる現象です。そのマナは魔法を使うときにも使いますが、基本は自分の体の機能を補助するものです」
「補助?」
「補助です」
打った頭から痛みが消えていくのを感じながらその頭を掻き毟り、阿呆のように繰り返す。
「優れた能力がある者には劣った能力もある。魔導士は光を扱える代わりに体が弱く、脆い。その脆さを補うために光を使い、補助しているんです」
「ほう……。それで体が無事なのは?」
「光を用いて体への負担を軽減するんです。衝撃だったり、熱だったり、重力だったりです」
「なるほど、って何!?」
一瞬納得しかけたが、すぐにそれを撤回。重力操作が可能となると確かにあの臀部へのダメージは軽減できるし、さらに衝撃カットでノーダメージ。
パルムの無傷は理解できるが、先ほどシルの放った言葉では、優劣混同のはずだ。それなのに劣った部分を補うだけにとどまらず、強化している。普通以上だ。
それはつまり、現代世界で言うところの、
「チートやんけ……」
「ちいと……?」
「ちいと……?」
「ちぃとぉ……?」
「ちっとっ……?」
「っ!? びっくりしたぁっ!」
ぼやくイツキにシルとパルムが小首を傾げる。そのすぐ後にイツキの肩を掴み、同じように疑問を口にした二人にイツキは肩を跳ね上げ、飛び退く。
「脅かすなよ、お前ら……」
「なんで止まってんだよぉ」
藍髪の少年が目をギラつかせ、イツキを押しのけ車内に足を踏み入れる。ガイルだ。半裸だ。寒いのに。
ガイルはイツキの言葉を無視して、ずかずかと入り込む。
それに続いて入って来た少年は、青髪に犬歯と目つきが鋭く、ガイルよりは少し小さいが彼に似ている。違うと言えばオオカミのような耳が生えていることだ。
青髪の少年、カインは、ガイルに押し倒されたイツキを跨ぎ、何か異変があったのではと、止まった車内の様子を確認している。
「なんもねぇじゃんよっ」
「いやこれはだな……」
「イツキが、お尻、痛い、て、言うから……」
「パルム!?」
「どんくせぇっ!」
「ぬ、ああ!?」
なんとなく誤魔化そうとしたところをパルムにばらされる。誤魔化したい理由は弱音を吐くところを見せたくないと言うだけの見栄。だからシルにもそれとなく休憩を求めたのだが。
パルムの告発の結果、カインに笑われながら罵声を浴びせられる。イツキはその態度と、何故かパルムを味方につけたことに、苛立ちを覚え唸る。
そんなイツキを余所にシルによるより詳しい説明がガイルにされている。
「……ということで、少し、十分ほど休憩にします」
その意見には誰も反対せずにおとなしく従い、五人が狭い車内で円状に座る形となる。
「――にしても、お前らいっそ疲れてないのな」
最初に口を開いたのは、出発してから疲労しか感じていない、否、パルムという癒しは感じていたが、それでも絶大なダメージを受け続けていた、イツキだ。
イツキは野蛮な少年二人の一切乱れていない呼吸を見るなり、この異世界との差に、人間と亜人との差にか弱い嘆息を零す。
というのも、ガイルとカインは狭い鳥車の中で長時間座っていることが落ち着かなくて、運動がてら走って行く、といって、鳥車で二時間、推測百キロ以上の道のりを、鳥車の後ろから走ってきていたのだ。その速度はおよそ時速五十キロメートルという、自動車並みの速さだ。
そんな化け物並みの体力と脚力に呆れ果てたイツキに、カインが「へっ」と鼻を鳴らし、
「こんくらいならなっ」
と自慢げに語る。
イツキにはその態度がどうしても馬鹿にされているようで気に食わない。だが、特に嫌っているわけでもなく、これがカインとの距離感なのだと自覚してはいる。
そしてやはり、この他愛のないやり取りが、場の空気を温める役割をなしているのだから、マイナス点よりプラス点の方がふさわしい。
「イツキ、楽しそ、う」
とパルムが微笑んでくれているので百点満点を自分にあげよう。
少なくともこの笑顔はイツキが作ったものだ。それを誇ってもいいと感じる。自分に力がないとは思っていたが、できることはあるのだ。
「それよりイツキよぉ。聞きてぇことがあるんだが……」
「ん……? なんだ?」
ほんわか空気の中、声の調子を落としてガイルがイツキに問いかける。彼は眉を顰め、イツキの身体をじっくり眺めながら、
「――初めて見たとき、お前は燃えてたよな? ありゃなんだ?」
そうガイルが問うたとき、パルムとカインは疑問符を浮かばせ、シルは表情を変えた。
イツキにはただ何故燃えていたのかと言う質問にしか聞こえなかったが、シルにとっては違ったらしい。彼女はすっと立ち上がり、ガイルを見つめる。
「ガイル、まだ疑ってるんですか?」
「いや、確認だけだ。落ち着けよ」
「それも必要ないと言ったはずです。今は――」
落ち着いているガイルが、対照に言葉に強さが滲み出つつあるシルを抑えようとする。
あの夜、ここにいるメンバーとフィリセで話した結果、とりあえずイツキは皆の仲間であるとされているが、疑いが完全に解けたわけではない。その点はイツキも十分理解している。だが、シルはその疑いを認めようとしない。
「わかってる。別に何かしようってんじゃねぇよ」
「だから……!」
「――ちょいまち」
「――」
熱くなるシルとガイルの会話に、イツキが待ったをかけた。静まった空間に気付いたシルが冷静に戻ったのを確認し、改めて口を開く。
「俺のことは俺が話す。話したくないことは俺が断る。オーケー?」
シルはじっと見つめるイツキに、ガイルに、しばらく黙り込んだ後に謝る。イツキはその様子に吐息を漏らし、静かになった空気を確認。それから、手を二回鳴らし、
「暗い話じゃないって。今となってはどっちかってと笑い話。聞いた後にそんなことかって笑いこけるなよ?」
と、言い合っていた二人だけでなく、不安そうな顔のパルムと、相変わらず状況が呑み込めていないカインにも、笑顔を見せて安心させる。
それからガイルの質問に経緯などを説明に加えながら答え、イツキの言った通り、笑い話に――ならなかった。と言っても、再び不穏な空気になったわけでもない。
「粉塵爆発……?」
四人が疑問を持った単語は、この話の最も重要な単語で、イツキが燃えた理由なのだが、あの博識なシルでさえ聞いたことがないようだ。
「それは何かの魔法ですか……?」
そう聞かれると、違うと簡単に答えられる。聞いたところでは、世界の魔法はマナという謎の物質に干渉することで発現するものらしいが、粉塵爆発はそんな解釈できない現象ではない。
「なんというかな、砂糖ってよく燃えるんだよ。それが空中に程よく散っているところに、火が点くと、バーンてなるわけ」
「……?」
身振り素振りで説明するも、理解できているのはシルくらい。まあ、ガイルとカインについては理解を期待も予想もしていないが。
とはいえ、なかなか納得されないのも困ったもので、その追及は再出発した後も車内で続けられた。
話がようやく終わると、イツキ以外の話もいくつか。休憩を挟み、走り出し。そんなこんなで痛みを耐えつつ時間は流れ、
「イツキさん。そろそろ王都ですよ」
「おおー! ……ってさぁ」
シルの報告に耳を立て、窓から外を覗く。が、そこに広がる世界は、決して王都と言えた風景ではない。なぜなら、視界に入ったのは森から抜ける瞬間だ。
出発してからずっと森の中を走ってきたせいか、その感動は小さくない。だが、見えた街並みは遥か彼方で、寂れている。おまけにそれまでの道がだだっ広い平原の中だ。
「でもまあ、こうして広いとこ出てわかったんだけどさ。俺らがいたとこって山だったんだな」
そう言うのは外を覗いたときについでに見た後ろの風景からだ。その景色は森、その上には山が、それも日本では、否、元いた世界では見たこともないほどの高さの山が、聳え立っている。まさしく天を突き刺すような山だ。
「私たちの集落はあの岩山の麓に彫ってあるんです。あそこなら人間も簡単には寄り付きませんし」
「虫みたいな言い方だな!」
「虫だなんてとんでもない。あんな化け物よりはマシですよ」
「フォローって知ってる!?」
少々棘が鋭い気がするが、それは人間と亜人との確執なのだろうか、と心の片隅に置いておくことにした。
集落の地形的に山の麓と海の浜の境界にあることがわかる。とは、ヒナタたちが海で遊んでいるところを見てのことだが、それも地形としては珍しいものだ。
ところで、イツキが何より気になったのは地形の中でも森のことだ。
「いくらなんでも森が広すぎやしねぇか?」
と一言。というのも、出発からおよそ九時間、ずっと森だった。どこかの熱帯雨林並みの広さだ。それもこの先に広がる平原が狭く感じるほどの。
その森に違和感を感じるのだが、その理由は、
「何故でしょうね。私もよくわかりませんが……」
シルでもわからないらしい。彼女の知らないことを他の三人が知っているはずもないと決めつけているイツキは、三人には聞かず、己の頭の中で考える。といっても考えたところでどうなるわけでも、正解がわかるわけでもないのだが。これは残りの大体一時間の道のりの暇つぶしに過ぎない。
「その広大な森を歩いて抜けようとしてたのか」
シルとヒナタがいなくなって困惑したイツキは、彼女らを探すためにあの森を抜けようとした。それはその道のりを知らなかったからで、知っていたらもうちょっと考えていたかもしれない。いや、それもないか。
ともあれ、もしも鳥車で九時間の道のりを歩き続けていたと考えたら恐ろしい。途中で止めに来たガイルに感謝できるほどだ。
「お、やっと着いたか?」
そう言って再び顔を出したのは、人が歩き、建物が並び、イツキたちの乗る鳥車と同じような乗り物が走っているところだった。
まだまだ町とは言えない場所だが、それでも賑わいが感じられる場所だ。
「ここが王都?」
「いいえ。ここは王都の少し外の町、コゼムです」
「コゼムって……また変わった名前だな」
イツキたちが初めて訪れた王都と呼ばれる場所はここよりも人数は多く、賑わいもあったが、町の空気はこちらの方がよい。名前に少し違和感はあったが、そこは別に気にしない。
「王都に着いてからの予定ってどうなってんの?」
今、気にすべきなのはそこだろう。シルに王都でルクス家の主に会うと聞いているが、それが、いつ、どこで、それまで、それから何をするのか、までは聞いてない。
「予定では『サイカンの蔵』と言う店で落ち合い、昼食をともにすることになっています。これから三十分くらいしたらそこに着くので、もう少し待っていてください」
「『サイカンの蔵』って……この世界では普通なのか、こういう変な名前は」
町の中に入るにつれ、人通りも多くなり、賑わいも増してくる。スピードの落とされた鳥車の中から見える風景は以前見た王都よりも王都らしい雰囲気だった。
そんな風景に目を奪われているのはイツキだけでなく、パルムとカインもだ。聞けば彼らは、こういった人の町に出るのは初めてらしく、人間を見たのもイツキとヒナタを覗けば二年ぶりらしい。
カインは尻尾を左右に大きく振って、パルムは瞳を輝かせて、イツキはそんな二人にほのぼのして、『サイカンの蔵』までの三十分もあっという間に過ぎて行った。
「――で、もうルクスさん? って人は来てんの?」
鳥車が停まり、シルが車内へ入ったところで、改めて聞いてみる。
イツキは緊張しやすいタイプで、偉い人と会うとなると、まともに話せない。だが、この質問はそういった問題とは関係ない。何より、イツキは知らないことだらけで、緊張より興味が勝っているからだ。
「いえ、まだ。昼食の予定時間までおよそ四十分です」
「ふぅん……。そいや、シルはどうやって時間確認してんの? 魔法?」
「話変えんなよっ」
「いや、わりぃ。気になったら止まんねぇのよ、俺は」
最初のイツキの質問は、他の三人も知りたい内容だったのだが、イツキの身勝手さがそれを掻き消す。おかげでその四十分間の行動についての質問を続けられなかった。
それでもイツキが新たな質問を投げかけたのはある意味重要なことだと思ったからだ。
「俺ら、いや、少なくとも俺は時間わかんねぇから色々と不便だなって思ってさ」
これから四十分何をするにしても時間の間隔がなければ、昼食の時間にいないといったことが起きかねない。
「私は感覚で覚えてますよ。パルムも」
「やっぱ魔法?」
万能な魔法だ。そう言ったことが容易くできてもおかしくはない。だが、それが魔法なら、イツキたち、魔法が使えない三人は時間がわからないままだ。
が、
「いえいえ。感覚です。普段から生活で慣れておくんですよ。そうすれば時間なんてパッパです」
「まぁ俺も時間ぐれぇなら大体わかんぜ?」
「オレはっ、無理だけどなっ」
「同志よ!」
「気持ちわりっ」
「あで!?」
体内時計の信頼度の高さに、自分は無理だと確信するも、同志を見つけて抱き着く。が、一蹴されてあっけなく散るイツキ。大げさに加えて騒がしいイツキを伸すカインは、イツキとは違って冷静だ。それはイツキの知らない時間がそうさせたのだろう。
彼らの関係性をほとんど知らないイツキにとって、そういったことはこれから山ほど出てくると考えられるが、身構えても何もできないことはイツキも重々理解しているつもりだ。
「で、話し戻そうか。予定の話に」
カインとの一方的なじゃれあいを中断し、自らが飛ばした話を責任から戻そうとする。
「これからの四十分間は基本自由ですが、イツキさんは私と一緒にいてくださいね」
と迷子防止のために同行を強制されて、「ふぁーい」と目を細めながら力なく答える。だが、シルとともに行動するということはつまり、パルムといられるということ。そう考えれば悪くない。などと現を抜かす。
もっとも、イツキ一人ではどこに行こうにも何をしようにも、金もなければ知識もないので無理な話なのだが。
「オレはっ、てけとーに町回ってらっ」
「では、ガイルもカインについて行ってあげてください」
「ん、ああ、別にいいけど」
何か落ち着いた様子のガイルはシルの言葉に素直に応じる。その様子があまりにも不自然で、おどけるイツキも少し目を遣るのだが、静かなこと以外、何か変わった様子は見られない。聞けばわかるのだろうがイツキはそれをしない。何もできないからと言ってしまえばそれまでだが、相当な問題ならばガイルから少なくともシルぐらいには話すだろうと思っているからだ。
「くれぐれも問題を起こさないようにお願いしますね」
とシルの忠告でとりあえず解散。ガイルははしゃぐカインの後ろをついて行き、イツキとパルムは、シルが鳥車を『サイカンの蔵』の裏に止めるのを待ってから、それからシルとともに移動を開始した。
第二章、ストーリー開始です。開始です。開始です。
引き続き、よろしくお願いします。
評価、よろしくお願いします。




