表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/54

15 Happy Valentine’s Day -5-

 がっくりした様子の玲人くんを引きずって、俊くんが帰っていく。

 うーん、悪いことをしたんだろうか。でも、こういうことは早目にはっきりさせた方がいいって聞くし。

 三回しか会ってないし、ちょっとしか話してないし、それほど私のことを好きってわけでもないだろうから、そんなに心配しなくてもいいか。


 ひかりちゃんと俊くんはあまり話さなかったけど、別れる時はお互いに手を振りあった。

 だから、わだかまりは少しは解けた……んじゃないかなって思う。


「ありがと、忍。付き合ってくれて。それにしても玲人、魂抜けてたね。忍って案外鬼だわー」

「え? 私はひかりちゃんの方が容赦ないって思ったよ」

「えー? 私はちょっとからかっただけだけど、忍は死刑宣告してたし」

「いやあ……ああいうことでからかわれるのダメージ大きいと思うよ。私が何も言わなくても致命傷だったと思うけど」


 顔を見合わせてそう言って、それからどちらからともなく吹き出した。

 結論。どっちにしても玲人くんは(精神的に)死亡決定。どっちもひどいな、私たち。


「まあ、しょうがないね。タイプじゃないんだもんね」

「うん。悪いけど、玲人くんに興味を持てないし」

「ひど! ナチュラルにひどいわ、あんた」

「え、そう?」

「自覚持て。自覚のない鬼だよ、忍って」



 ちょっと前まで、こんな会話をひかりちゃんとするなんて思っていなかった。

 私が思っていたひかりちゃんと、目の前のひかりちゃんは違っている。

 ひかりちゃんが思っていた私と、目の前の私も違っているんだろう。

 そして誰よりも自分が、こんな私を知らなかった。



 友達と笑い合いながら寮への帰り道をたどる。

 ケンカしたり仲直りしたりしながら、前よりも友達と仲良くなっていける。

 今日は、生まれてきてから一番幸せなバレンタインデー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ