14 幸せな毎日 -3-
次の朝、他の一年生たちと朝食の準備をしている時。ひかりちゃんは『全部自分の誤解だった。あやまって許してもらった』と宣言してくれた。
そんなこと言わなくても私たちが普通にしているだけでみんなは気付いたと思うし、わざわざ自分から悪者にならなくても良かったのだけれど。
「けじめだから。私がこうしたいの」
ひかりちゃんは譲らなかった。
案の定、
「何それ。何だったの、人を巻き込まないでよね」
とか、
「何だあ、誤解だったんだ。それであんなことして平気で仲直りとか、ひかり割と図太いよね」
とか言う子たちもいたけれど。
「ひかりちゃんはちゃんと謝ってくれたから」
私は陰口を言っている子たちに向かってきっぱりと言った。
「こういう時、ちゃんと謝れる人ってそんなにいないよ。だから私は、ひかりちゃんはやっぱりカッコいいと思ってる」
それがひかりちゃんの潔さに対して私が返せることだから、心臓がドキドキしたけど頑張って大きな声で言った。
それでその子たちは黙ってしまった。それはそうだよね。あなたたちはひかりちゃんに同調して、私を仲間外れにしたり陰口を言ったりしていたんだもん。私は忘れていないよ。
「忍、ありがとう」
ひかりちゃんは恥ずかしそうにお礼を言った。私は首を横に振る。
「ううん。思ったことを言っただけだから」
やっぱり忍は強いよね、とひかりちゃんは言ったけど。
違うよ。私が頑張れるのは、ひかりちゃんや先生が応援してくれるからだ。
私のことを気にかけて、私のために頑張ってくれる人がいるから、私もそれに応えなきゃって思う。それだけなんだ。
教室でもひかりちゃんは同じことをした。
私もみんなに家族のことを黙っていたことを謝った。
「二人とも、朝から大げさだな」
美空ちゃんが苦笑する。そして、
「その……昨日は私も言い方がきつかった。寮に戻ってから反省した。友達でも言いにくいことはあって当然だよな。一方的過ぎた。悪かった」
と頭を下げてくれた。
昼休みに地学準備室にお金を返しに行った。中では十津見先生がひとりきりでコンビニのお弁当を食べていた。おかずは焼き肉だった。前に食事に連れて行った時は生姜焼きを食べていた気がする……。
お肉好きなのかな? でもお野菜は食べなくていいのかな。今度、調理室でサラダとか作って持って来たら食べてくれるかな。
それはともかく、お金を渡した後で昨夜と今朝の出来事を話した。先生は興味なさそうに聞いていたが、帰れとは言われなかったので昼休みが終わるまでその部屋にいた。
うん。私やっぱり今、とても幸せです。




