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カウントアップ  作者: 東条 李禹
ランクマッチ編
5/5

Level #5

なぜか1日2回更新です。

ランクマッチ編はまだまだ続きます!

お楽しみください!


「ごみ虫がなにか言ってるよ?」

「そうですわね」


 ツウィンズが嘲笑する。まるで家畜をみるように……いやごみ虫か。

 Bランカー上位の二人は少なくともエリと同じかそれ以上の力の持ち主。つまり、おれの力では勝てない。


「タイガ逃げるぞ!」


 弾交換不要ノン・リロード銃を胸の前に構えて、利き手でしっかりと固定してもう一方の手を添えるようにおく。 

 使用経験のないもののそれなり様にはなっているだろう。

 ノン・リロードを活かしてツウィンズの足元目掛けて連射。思ったほどの反動はなく、以外にも狙いを正確に射抜く。


「ここだ!」


 圧倒されて動けなくなっているタイガの手を取って連れ出す。

 タイガは反応もせずに素直に連れ出される。

 

 意外にもツウィンズは呆気なく見逃してくれた。振り返らずに隠れやすい個室に身をひそめる。


「おい!おい!タイガ!あいつらについて教えてくれ」

「……ん?おう。あいつらは双子で姉のクズハの能力は不明。弟のカケルの能力は精神洗脳マインド・コントロール。対象は使用者に絶対服従する。二人は幼いながらも戦闘方法を確立している」


 直接攻撃ならおれの時間巻き戻しカウントアップでなんとかなるが、マインド・コントロールとは想像できなかった。

 精神から間接的に相手を殺すことができる。最凶な相手だな。

 タイガの疲労も気になる。ツウィンズは追ってこないし、今日はここで休もう。


「一休みしてろ、タイガ。周囲はおれがみとくから」

「ありが……とう」


 たった数時間のうちに痩せ細ったタイガを床に寝かせて外に出る。


 それにしても、お手上げだな。

 死ぬたびに生き返れるんだから作戦を1つずつ試して勝っていくつもりだったけど、あいつらツウィンズの弟の能力にかかって手下にでもなったら終わりだ。

 どうするか?

 タイガの能力を使って作戦でも組むか?いや、無謀か。

 だいたい磁場制御マグネットだって金属が周辺になきゃ効果はゼロだしな。


 少しヤケになったおれは、いつもの癖でスマホアプリのカウントダウンを開く。


「これだ!」


 萎れた目を輝かせてある項目に目をつける。

 その名も『ガチャ』。おれのもう一つの特権である、初回300万円手付かずゲット活かして一回20万円のガチャを贅沢に10連で引く。


『おめでとうございます!』


 超激レアが最高のレア度。よくある設定だが、もう一つ定番の設定がある。超超激シークレットレアがあることもある。

 このカウントダウン season2にはその設定を採用しているらしい。


物質構造変換剣トランス・ソードが手に入りました』


 トランス・ソード。

 物質の構造を自由に変換することが可能な剣。これがあればいける!



 ──3時間後。


 

 タイガの意識が戻り体調もマシになった頃。

 おれはタイガにトランス・ソードを組み込んだ作戦を伝えていた。


「いいかタイガ?」

「こいつはぁ驚いたぁ。こんな作戦を思いつくとは」


 驚きを隠せないタイガだが、おれの作戦に賛同してくれた。

 リスクは大きいが見返りも大きい。ハイリスク・ハイリターンというやつか。だが、リスクは死そのものだ。

 まぁでも、やるっきゃないけどな!


「いくぞ!」

「おう!」



◇  ◇  ◇



 隣り合わせの死。

 持ち場についてツウィンズを待っている時になって、ようやくそれがわかる。

 おれは死に対する恐怖はないと言ったが、精神洗脳によって服従させられたらおれも一様に死。利用規約の一件とは比べ物にならない恐怖か。

 

 一瞬、気が緩んだところにタイミングよく現れたツウィンズ。相変わらずの殺気だが、動揺する時間は1秒もない。

 神経を集中させてトランス・ソードを極限まで変換させる。小さくともしっかりと剣の形をしたものが無数に出来上がる。


「ごみ虫いたよ!」

「殺っておしまいなさい、カケル」


 これも変わらず、二言で終わる会話。

 ちっ場所はバレバレか。聞こえるかタイガ、作戦開始だ‼︎

 

「遅いですわ」


 急に周辺の温度が下がったと思えば、クズハの足元には氷塊がいくつか視える。


「これはあいつの能力⁉︎」


 思うにあいつクズハの能力は無から氷を生成するか、周囲の温度を急激に変化させる能力。前者はともかく、後者は強力な能力。とてもじゃないが、勝てない。凍らされてしまったときにも時間巻き戻しカウントアップが使用可能とは限らない。

 一層、死が迫っている気がするな。

 だけど……選択肢はないんだよ!


 弾交換不要ノン・リロード銃を構えて乱射する。

 先ほどと違って狙いは射抜けない。が、それでいい。相手の意識をこっちに向ける。


「こっちに向かってくるよ姉様」

「そうね」


 一見して変わらない口調。

 その幼い容姿からそんな言葉を発される心地いいものでないな。


 姉の能力を避けながらも距離を詰めずに意識を向かせる。ノン・リロードはこういった場面では最適だ。


「こっちだ!来いよ!」


 そう言って映画館へと移動する。ここにはタイガがスタンバイしている。あとは作戦通りにあの剣を奴らの体内に。


「今だ、打て!!!」


 銃の引き金ではない。お前の能力を全開にしたその一撃を!

 数秒もせずに一人の男が当然と現れて言った。


磁場制御マグネット!」


 それと同時に針のようなものが無数に降り注ぐ。

 一本一本は脅威でではない。というか、いくら刺さったとしても痛くないレベルの大きさ。

 避けることもないとツウィンズ防御ではなく攻撃に力を回す。

 

 そして、気がつけくと。剣は元のサイズに戻り、二人は血まみれで横たわっていた。無数の剣に串刺しとなって。

 弟は即死。姉の方は運良く虫の息で生き残っていた。


「……わたし…一体…うぅ……」


 遠のいていっている意識のかで姉の方はそう言った。まさか⁉︎おれは一つの可能性を思い浮かべる。


 『弟が姉をコントロールしていた』


 だとしたら助けないと、無実の人間にこんなことはできない!

 時間も巻き戻しカウントアップを使って姉を元通りに戻す。

 3時間前の特訓で大体の能力使用のコツは理解した。この能力は部分使用が可能だ。容量は難しいが不可能ではない。全ての時間を戻してしまうとかなりの負担になるが、部分使用ならその負担は半減以下だ。


「これで治ったか?」


 燻んだ瞳が治るまでおれは時間を戻し続けた。

 

「……ここはどこ?カケルは?」


 串刺しになっている弟を前にして姉は泣き崩れる、かと思いきや姉はすぐに状況を理解する。

 異常ではあるが話は出来そうだ。


「クズハちゃんだっけ?君は弟に洗脳されていた、で間違いないかな?」

「えぇそうなるわね」

「大丈夫かい?洗脳されていたとはいえ実の弟だろ?」

「問題ないわ。所詮、あの子はわたしの敵よ」


 さっきまでの態度が一変、弟を敵と話す姉。

 事情を聴いても言いそうないので、そこで気絶しているタイガを連れて元の個室に移動した。


「タイガ!おいタイガ!」

「ん?ってお前、ツウィンズは⁉︎」

「そこにいるぞ、片割れ」

「おいぃぃぃ!おまっなに考えてるんだよ!」


では、お楽しみください。

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