依頼
予定より遅れてしまいました!すいません…
翌朝。
空は快晴。
その暖かな日差しに目が冴え始め、布団をどかそうとして気だるげに手を動かす。
俺の手はふにゅんとした感覚を感じると共にこれをどかそうと……え?ふにゅん?
……これはやばい。
恐る恐る横を見ると金と銀のオッドアイがこちらをじーーーーーっと見ていた。
クラが隣に寝ていたのだ。
恐らく起こしに来てそのまま寝てしまったのだろう。
それはしょうがないが、しかし先程のは………
「…すまん」
俺は瞬時に謝る。
これで斬られたりしたら笑い話にもならないぞ?
沈黙が流れる。
そして…
「…いいわよ…主様だから…もっと…する?」
クラは口に微笑を浮かべからかうように言った。
「いや、いい」
安心しつつも俺は苦笑しつつ断る。
そのお淑やかな手触りに完全に目が覚めた俺とどこか残念そうにベッドから出たクラは朝食を食べて冒険者ギルドに向かった。
◇◆◇
冒険者ギルド内には依頼ボードという名前そのままの意味の掲示板がある。
俺たちはその前に立ち依頼を見ている。
依頼には色々と種類も内容もそれぞれ違ってくる。
ただし、依頼にはランクというものが関わっており、それによって制限が変わってくることがあるのだ。
そのランクは「依頼ランク」と「冒険者ランク」の2つに分かれ、それぞれ依頼の難易度と冒険者自体の活躍によって定まる。
とはいえ、ギルドもそこまで厳しくはなく、S〜Fのランクに割り振られる内のCの依頼ランクまではどのランクでも受けられる。
と、いうことで異世界初の狩りに向かうとするか!
俺は依頼に目を通していく。
薬草の採取…ゴブリンの耳取り…ゴーストシープの毛皮取り…なんか採取系ばっかだな…
そのまま探していくとある依頼に目が止まる。
『討伐依頼 森の主
報奨金:銀貨4枚
違約金:銅貨1枚
依頼内容:レグードの森の主を倒してください。魔物の増加で活性化して、大変危険です。』
すごく気になる。
「なあ、クラ?これにしてみないか?」
「…いいよ…主様なら余裕…だから」
「よし!じゃあ、行くか!」
俺はこれから初の依頼をすることにワクワクしながら、受付に向かった。