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勇者召喚と自己紹介

お嬢様口調って難しい…


「皆さん、よくぞお越しになられました!貴方達は異世界より勇者召喚の儀で呼び出された素晴らしい魂をお持ちの方々です!貴方達と出会えた事は私共にとって大層光栄にございます。申し遅れました、私はユーリ・メイズ・フューリティア。このレティスマータ王国の第一王女になります。以降お見知りおきを。」


そう王女は言う。


皆、これに驚いたのかフリーズしている。

ただ、対極に立つ女性はそうではなく、難しい顔をして唸っている。

そして、意を決したのか言葉を発した。


「ユーリ王女、ひとつ聞いてもよろしいか?」

「ええ構わないですよ」


…特徴的な喋り方だな。


王女は何か大臣と相談した後、「ええ、構いませんわよ」と言った。


「…自己紹介がまだだったな。私は瑠璃原るりはら 萌瑋めい。貴方達の言い方で言えばメイ=ルリハラという。以後よろしく。さて、我々には聞きたいことが色々あるのだが、まず勇者召喚の儀とはなんだ?」


ズバリ言ってしまった。


しかし、予測していたのか王女は笑顔で説明し始める。


「勇者召喚の儀とは私たちの危機を救うために異なる世界から勇者を召喚し、世界を救う英雄になってもらうためのシステムですわ。また、危機とは…ゼバス、地図を持ってきてちょうだい。」


大臣ゼバスが走って地図を持ってきた。


大分歳がいってそうなのによくそんな走れるな。この時代の初老の人は元気すぎるのか?


「ありがとう。まず、この大陸について説明しますので、こちらを見てくださるかしら。ここが今いる「レティスマータ王国」の王都エルムよ。ベイード大陸の右半分─人地フューリティアというのだけれど、人族が多く住む土地の中心を成しているわ。


「上の国はルドシア帝国。人族と獣人族が人口を半分ずつにしていて、独自の帝政をひいているわ。…この国にはあまりいい噂は聞かないのですけどね。」


…帝国と言うと力がすべてみたいなイメージがあるな。


「次ね、左隣の国は聖べルシア皇国。人地フューリティア唯一の宗教「べルシア教」の教皇様がいらっしゃる国よ。この国はどこの国にも聖教教会を建てていて、信教者は夥しいの。あと、どこの国からも中立の立場に立っているわ。」


敵に回さない方がいいな…絶対。


「そして、下にあるのはアルブ海国。商人と娯楽の国よ。スタンス的には聖べルシア皇国と似ているのですけど、こちらは博愛主義と言った感じね。」


へぇ、娯楽の国か…


「その隣、聖べルシア皇国とアルブ海国の間にある国が、グレア共和国。ここは民が政治を率いるという珍しい様式を執っているわ。」

「ふん!ただの平和ボケの国だ!」


大臣がムスッとした顔で言う。

俺たちの国も充分平和ボケしてると思うんだが…


「では、我が国…延いては人地フューリティアの危機についてに戻りますが、反対側が若干黒くなっているのがわかりますか?」


「はい」

「ああ、結構大きな範囲だな」


「こちら側は魔族の地、魔地ディスティアと呼ばれるのですが、ここにある唯一無二の国家ディヴィ魔国と王国・共和国・帝国が政治的な諍いを起こしてしまい、戦争状態にあるの。しかも、かれこれ300年前から戦争状態にあるため、どこも疲弊していたので50年程前に停戦協定が結ばれたわ。」


長っ…!

でもそれなら、呼ぶ必要はないと思うんだけど?


「しかし!近年、停戦協定を破棄しようという流れが彼方此方で起きて、既に帝国の貴族の一部が私兵を増やしているというのも小耳に挟んだりしているの。我が王国はここ20年、賢王による政治が続いており、皆が戦争に許容するような雰囲気ではないのだけど、やはりこの国でも他国の貴族と結託し、戦争状態に持っていこうとする輩がいて困っているわ。」


ん?それだけなら大丈夫なんじゃ?賢王いるんだし。


「更に、悪しき魔力マナに穢された獣───魔獣クリーチャーと呼ばれる害獣が増えているのよ。」

「すいません、魔力マナって何ですか?」

質問したのは萌瑋と由紀の間にいる身長155cm位の女の子だ。


「失礼しましたわ。説明していませんでしたね。

魔力マナとは精霊神の加護により齎され、この世界のあらゆるものに宿る力ね。これは魔法を発動するためにも必要ですよ。」


ゲームでいうところのMPが魔力マナらしい。


「なるほど…ありがとうございます」


少女は礼を言い、何か考え事を始めてしまった。


「いえ、お役に立てて光栄だわ。この地に迫る危機についてはわかったわね?全ては皆さんの手にかかっているの。どうかこの世界を救ってくださいまし!」


王女が嘆願する。

それは心からの願いのようで声音が若干震えていた。


「ああ、任せてくれ(下さい)!」


3人の声が重なりつつ了承の意は伝わったようだ。

萌瑋さんは…頷いているから同じ気持ちってことだろう。


「…そう言えば、萌瑋さん以外の御三方から名前を伺っておりませんでしたね。」

「そういや、忘れてたな。俺は片沢 漣。レン=カタザワと言った方が正しいか。まあ、よろしく頼む。」

「私は小鳥遊 由紀と言います。こちらの世界の言い方でいえばユキ=タカナシですね。これからお世話になります」

「沼田 愛梨よ。名がアイリ、姓がヌマタよ。よろしくね!」


「レンさんにユキさんにアイリさんですわね!よろしくお願いしますわ!」


笑顔で頷く王女はとても可愛らしく、見つめられて赤面していた。


「それでは、次に皆さんのステータスを見せて貰うわね?ついてきて!」


そう言うと王女は開かれた扉から出て廊下を進んでいき、俺たちもそれについて行った…




次話よりTwitterで更新通知を行います!

https://mobile.twitter.com/kyu_ya_sokumet

こちらのURLかマイページからTwitterに飛べますよ!

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