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異世界世紀末勇者無頼伝説   作者: ヘルメット
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王国

労働力のお話

 クラウンの仲間のヒャッハー共が40人ほどくっついてくるようになった。奴らの力は俺が砂漠越えをしようとしたときに大いに役に立ち、それは脅威にもなった。


「おい、そこのお前ぇ!」


「へい、なんでしょうかゼロ様」


 筋肉質で大柄なそのヒャッハーはヒゲをはやし、タイヤのようなワイドモヒだ。気合が入ってるのか、全身刺青まみれでそこらのヒャッハー共より能力は高い方だった。クラウンがボスになる前は10人くらいずつ別のチームだった奴らが集まっていたそうだが、こいつはその一つでボスだった奴らしい。


「冷たい水が飲みてぇ。先行してオアシスを捜索してこい」


「へい、この俺におまかせください」



 そういうとその刺青ワイドモヒゲ・・・・・・なげえからヒゲでいいや。ヒゲは部下として10人ほどヒャッハーを連れて捜索に行った。


 15日程してヒゲの部下が帰ってきた。どうでもいいが水は3日前に尽きている。いい加減干からびそうだ。小娘はすでに動けないので肩にかついでいる。バイクも砂が深いため、今はうごかないので担いでいる。いい加減面倒くせえ。小娘が死にそうなので蛇みたいなのとか、蠍みたいなのとか、なんかでかいのが出るたびに潰して飲ませているが、食わず嫌いしやがるからそれも面倒くせえ。ヒャッハー共は「ヘッヘッヘ、食料だぁ、ヒャッハー!!」とか騒いでてうるせえし、面倒くせえのが多すぎるぞ。


「ゼロ様ぁ!!ついにやりましたぜ!!」


「おう、早くつれてけ」


 更に半日ほど歩いたが、俺はすげえものを見た。



「オラオラオラア!!働け働け!!この墓はなあ、ゼロ様がお亡くなりになった後に入る墓なんだ!!」


「ゲッヘッヘ、お前とお前はこっちだあ!!オラオラ!!」


「どうだ、労働した後の飯はうめえぞぉ!!もっともおめえらにはやらねえがなあ!!ヒャッハッハ」


・・・・・・どうしてこうなったのかわからないが、ヒゲとその部下達はピラミッドを建設していた。オアシス自体もあるし、それは文句もないが、なんでピラミッド作ってやがるんだ。そしてもっと意味がわかんねえのが、なんでこいつら増えてるんだよ。


「お待ちしておりました、我が王」


 ヒゲが豪華な鎧に身を包み、マントと長髪を翻しながらこっちにきた。なんか姿変わってんじゃねえか?レベルアップか?


「おう、で、なんか人数多くなってんじゃねえか?それにその姿は?」


「はっ!最初は小さなオアシスを見つけたのですが、このままお迎えするわけにはいかないと思いまして、我ら王直属軍は付近にいた流浪の猛者達に触れ回り、人間狩りを行いました。そして国を建設せんと、ここまでのものを作るに至りました。ご到着までに力を示す勇者王墓を築こうと思ったのですが、努力が足らず完成するまでには至りませんでした。少しやつれましたが、皆ゼロ様の到着をお待ちしておりました」


「お、おう・・・・・・。まあ程ほどにな」


 冷たい水、新鮮な魚、うまい肉、砂漠には不似合いな趣向と贅を凝らした歓待を受け、ぐったりしていた小娘も復活したが、しばらく歩けそうにはないので駐留することにした。


「って、ねえゼロ、貴方いつの間に王様にされたの?それにあの人達誰」


「知らん・・・・・・先行させた奴らの風格がなんかヒャッハーじゃない奴になってた。俺はあいつらを知っている。あれ【強敵】と書いて、【とも】と呼ばれる小数民族だわ。」



 強敵、何度か遭遇したことがあるが、、精神を病んでる奴、変態、自己犠牲マニア、具合悪い奴、こじらせた奴など、ろくなやつ等がいなかった。あれってヒャッハー共の進化した姿なのか。全然別の生き物だと思っていた。どいつもそこそこ強いが俺に傷がつけられるほどではない。


「大変です、ゼロ様!!先行隊の奴ら、乱心してますぜ!!」


 何事だよ・・・・・・。


「我々はこの勇者王墓を一刻も早く築きあげねばならぬ。貴様らには奴隷になってもらう!!」


「なぁにいい?俺様達はお前らの部下じゃねえぞ!!殺すぞこらあ!!」


「貴様らの力を以ってすれば、あのベンベン石ですら運べるだろう。さっさと働け!!」


「うぎゃああああああ」



・・・・・・何かよくわからんうちに残りの30人が他の奴隷連中と同じように、鞭打たれながら石運ばされたりしはじめた。まあ、確かに。俺もそれいいと思うわ。あんなヒョロガリの奴隷よりヒャッハー共使った方が絶対はやいよな。あいつらが労働に向いてるかどうかわからないが。


「おう、じゃあ俺先いくわ」


「はっ!!我らはここを中心に南北の二つの国を攻めまする!!ゼロ様が帰還するころにはこの涸れた砂漠を奴らの臓腑と血で敷き詰めて、肥沃な土地にしてお迎えさせていただきます」


 40人のヒャッハー共を置いて俺と小娘は西の都を目指すのだった。



宰相ヒゲを称えるモニュメントに刻まれた記録


 3998年、夏の頃。同士クラウンと行動を共にしていた際に王に出会う。

 3998年、夏の終わり頃、王国の建設に着手。

 3999年、春。南北の国を落とす。

 3999年、晩夏。植林、運河建設等、ありとあらゆる手段で砂漠を減らす。

 3999年、冬。死去。


 多くの民に慕われヒゲは逝った。砂漠と戦い、愛する王と仲間のために戦った宰相ヒゲは志半ばで倒れたが、その顔は安らかであったという。



※ちょこっとキャラ紹介


ゼロ様・・・・・・気がついたら王にされていた。笑えない。なので今回笑ってない。ゲスい笑い声を出す機会がほしい。あと砂漠で疲れたから単に面倒くさい病になってるせいもある。


小娘・・・・・・ゼロ様の優しい栄養補給によって、一命はとりとめる。ただし経口摂取で生肉をねじ込まれる、血液を飲まされる等でトラウマ気味。少し痩せた。


ヒゲ・・・・・・今回の主人公?ヒャッハーは進化すると戦闘力が上がるだけでなく、外見まで変わり、ルックスがよくなる。そして拳法まで使い始めるのだが、実は更に進化するとイケメンのままでかくごつくなる。すごく優秀。無駄に優秀すぎて宰相になる。そもそも国を作れるヒャッハーなんていたためしがない。


周辺にいた猛者達・・・・・・ヒャッハー達の亜種。砂漠の熱に対応したり、独自の進化を遂げている。後のゼロの王国騎士団のメンバーになる。嫌な世界である。

ヒョロガリの一般人よりヒャッハー共がはたらいたほうが効率よいですよね。

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