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異世界世紀末勇者無頼伝説   作者: ヘルメット
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クラウンとヒャッハー

ヒャッハーの活躍は次のお話

 【クラウン】生死不問、とその紙には書いてあった。クラウンというのは酒場に貼り付けられていた賞金首の名前だ。俺にはどうしてもそいつはヒャッハーにしか見えねえ。


「こいつおもしれえ顔してんな。ぶん殴ったら楽しそうだ」


「ええ、そういうものなの?前からたまに話に出てくるけど、【ヒャッハー】ってなんなの?」


 腹痛から立ち直ってきた小娘が俺に聞いてくる。ヒャッハーもしらねえとか、こいつバカかよ。と思ったが、こっちで見たことはなかった。いねえのか?いや、この賞金首みたいなのがいるのだからいることはいるのだろう。やはりこいつがバカか?


「ヒャッハーもしらねえとかお前はヒャッハー以下だな?」


 俺が心底見下げ果てた目でそう告げると小娘の目には涙がたまっていた。


「なによ、教えてくれたっていいじゃない!ケチ!」


 この俺がケチとか言われる筋合いはねえ。ヒャッハーについて語ってやろうじゃあねえか。


「ヒャッハーってのはなあ、無軌道、無謀、無秩序で、労働をしない、徒党を組んで暴力で社会を築いている人種だ。何も考えてないから明日の飯も今日全部食うし、テンションがあがれば自爆もする。力に敏感だから、あいつら自身も一般人より強いが、より強い者に従順に従う性質もある。要するに、暴力万歳、強い者には絶対服従、それがヒャッハーだ。見た目は・・・・・・そうそう、あっちの派手な水色で、パーマがかかっているようなぼさぼさ頭だったり、変なそりこみが入った斑模様みたいな頭だったり、そういう頭悪そうな奴らだ。」


 小娘の顔がだんだんげっそりしていく。


「要するに、だめな人達?」


「おうよ、あいつらは駄目駄目だ。頭は悪いし、口もくせえ。生産性のかけらもねえごく潰し共だ。でも気がつくと増えてんだよなあ」


「ねえ、ゼロ、あそこにいる人ってもしかして・・・・・・」



 小娘の指した方には、張り紙の顔そのもので、肉屋にからんでるヒャッハーぽい奴がいた。

ギルドやら、酒場やら、けっこう雑多な店も多いが、兵士なんかも通る道の往来で、賞金首が堂々と狼藉を働いている。うん、間違いねえ。こいつヒャッハーだろう。



「おい、おめえんとこで買った串焼きなんだがよぅ、かじったらゴッキーがでてきたんだよぅ!おめえどうしてくれんだよ?ああ?きこえねえよ。俺様が腹ぁ壊しちまったらテメエ生かしておかねえぞ?あたた、あいたた、あえ!?本当にいてえええええ、いでええよおおおおおおお」


 俺は背後に立ち、クラウンにさっき小娘のお仕置きについた下痢のツボをかなり強めに押し込んでやった。


「リアクションといい、面構えといい、台詞といい、98%くらいの確率でこいつヒャッハーだろう」


「ゼロ、容赦ないわ。それ本当に痛いんだから・・・・・」


 横で小娘の目が死んでいる。なんだかしらんが俺に文句を言いたいようだ。とりあえずクラウンのツボを押し込む。


「アイダダダダダ!!!ウギエエエエエエエ!!!!!!」


 猿だかなんだかわからない意味不明な絶叫を上げるクラウンにビンタをくらわす。


「へぶっ!?ふぼ!?ぶべらぼあ!?」


 歯とよだれがぶっ飛ぶ。きたねえ奴だ。


「おい、お前クラウンだろ?」


「なんだ・・・・・・てめ・・・・・・え」


「口の利き方がなってねえな、やり直しだ、オラアア!!!」


 さらに強くビンタすると一瞬白目をむいていた。


「おい、寝てるんじゃねえ、起きろ。お前クラウンだよな?」


「は、はい、そうです」


意識が飛んでいるのか素直に答える。


「お前ヒャッハーだよな?」


「ヒャ・・・」


 ん?何だ、何がいいてえ?


「ヒャッハアアアアアアア!!!!なんでそんなこと知っていやがんだテメエエエエエ!!!」


 やはりヒャッハーだった。いるじゃねえかこっちの世界にも。


「おい、お前の仲間はこのへんにいるのか?人数は?」


 しかし俺の問いに答えず、クラウンは俺のツボ押しを逃れ、戦闘態勢に入った。


「クッソ、俺の不意をつくたあやるじゃあねえか!!俺をこんな目に合わせやがって、ただじゃおかねえぞ!!」


 何かいっている。


「俺の質問に答えねえ奴に生きてる資格なんざねええええ!!」


「ブチュル!?」


 あ、殺っちまった。

 気がついたらクラウンの首が360度1回転していた。


「あああああ!!!!」


 声は後ろからした。クラウンと似たような格好のヒャッハーが40人くらいぶらぶらしていた。


「なんだテメエら、全員埋めるぞ!?」


「うわああああ、おっかねえええええ!!!!、すんません!!」


 40人くらいのヒャッハーは直後に俺の手下になった。小娘は猛反対していたがまあこんなものだろうと思う。




クラウンの手紙


 ついに手下が40人を超えた。しかし俺もそうだが明日の分の飯を用意しておいても今日中に食っちまうやつ等が大半だ。組織をでかくするには計画的な消費が大事だ。まあなんとかなるだろう。何も考えてねえんだけどな。食いもんが足りなきゃどんぐりでも拾って食おうぜ!!



※ちょこっとキャラ紹介


ゼロさん・・・・・・強い。実際強い。ヒャッハー共からすると神みたいなレベルである。各種急所攻撃を豊富に覚えている。ゼロさんにとってのヒャッハーは退屈しのぎのおもちゃ。


小娘・・・・・・トイレには間に合った。余計なことを言うとつむじを押し込まれるので言葉は慎重に選ぶ。


クラウン・・・・・・ヒャッハー共のリーダー。ちょっと遊ぼうと思ったゼロさんのせいで死亡。ちなみにバカ。


ヒャッハー達・・・・・・長いものには巻かれろ!ヒゲとかモヒも混じっているが、基本はヒャッハー。次回で活躍する。


 


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