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異世界世紀末勇者無頼伝説   作者: ヘルメット
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世紀末の漢

世紀末世界のモヒカンとかヒャッハーをファンタジーに送り込みました。本人達は真面目にやっていますが、笑えるといいなと思います。

 俺の名前はゼロ。旅をしていたら食料が尽きた。俺はどこかから略奪しようと思っていたが、砂漠のど真ん中じゃ略奪もクソもねえ。そもそも人がいねえ。いい加減もう2,3日で飯にありつかねえとやべぇと思いながらもひたすら歩いていたら街道に出ていた。途中なんか光った気がするが俺は細かいことは気にしねえ。でかい男(身長230Cm)だからなぁ。そしてほどなくある村に立ち寄ると、そこは俺が何かするまでもなく、既に大惨事だった。


「こいつぁひでぇなぁ。ひどすぎて笑えてくるぜぇ・・・・・・くくく、ぐえっへっへぇ」


 俺がたどりついた村の文明レベルはせいぜい中世程度、電化製品も見当たらなければ、ろくな店も見あたらないゴミみてえな村だ。ついでに人もゴミみたいに転がってるわ、元から大したことねえくせにそこら辺燃えてるわで全部が全部ゴミみてえだ。

 適当にうつ伏せで転がっている村人をつま先で転がして仰向けにしてやると、そいつはまだ生きていやがった。


「おい、てめぇ・・・・・・こりゃどうなってやがんだぁ」


 俺が優しく訊ねるとそいつは血反吐を吐きながら必死に言葉をつむぐ。


「う、ううう、き、騎士団が、いきなり村を襲ってきて・・・・・・・」


 それだけ言うと死にやがった。根性のねえ奴だ。


「けっ、俺の飯の邪魔をするたぁいい度胸だなぁ」


 この分だと飯を食うには騎士団とやらを潰す必要があるようだ。


 俺はこっちに来てからけっこう長ぇこと腕一本で飯を食ってきたが、邪魔する奴を生かしておいたことは、ただの一度もねえ。少し進めばぎんぴかの甲冑に身を包んだ騎士の姿が目に入った。


「そこのお前ぇっ!!お前だよ、お前ぇぇっ!!死ねやぁ!!!!」


 俺は問答無用でそいつを殴りつけて落馬させると、その腹を足で踏み抜いて即死させる。イイ感じの兜をかぶっていやがったこいつはそれなりにいい所の出身なんだろう。許せねえ。死ね。兜は俺が代わりにかぶってやろう。適当に力尽くで兜を奪い取り、被るとテンションがあがってきた。


「何だ貴様は?おい、その兜をどうした!?」


 お仲間が駆けつけてくるが、探しにいく手間が省けて何より。俺は無言で近づいていく。


「くそ、寄るな下郎めが!!」


 剣を振り下ろす騎士、そんなとろい速度では俺に奪ってくれといっているようなものだ。指二本で挟み込んで捻ってやると剣はあっさり折れた。


「バカな、剣を指でへし折るだと・・・・・・化け物か?」


「馬鹿はてめぇだぁ・・・・・・げへっげへへへぇ・・・・・・死ぃねぇっ!」


 俺は手刀で馬鹿な騎士の胸板を鎧ごとぶち抜くと、心臓を掴んで抉り出す。


「それは?」



 抉り出した心臓から視線がはずせない馬鹿な騎士に見せ付けるようにして力を込める。


「これは、てめぇの心臓だあ!!オラ!!」


 ぼたぼたと流血する心臓が破裂すると、馬鹿な騎士は白目をむいて絶命した。そして俺はこの調子で村にいた騎士共をすべて殺したのだった。身なりのいい奴を見ると虫唾が走るぜ。


 俺は生き残りを、まだ燃えてなかった村の東側に集めると、村長から話を聞いた。


「助けていただきありがとうございます。見ての通りの有様です。突如あの騎士団が襲い掛かって

きたこの村は3分の2が燃え、村人もかなりの数が殺されました」


「そんなこたぁ見ればわかるんだよ、俺が聞きたいのはどこなら飯が食えるかってことなんだよ」


 腹が減って俺はだいぶ頭にきていた。気が短くなっていけねぇ。村長は急いで生き残りから食料をかき集め炊き出しを始める指示を出し始めた。そう、それでいい。


「ただ今準備をさせています。この有様ですのでご期待には添えぬかと思いますが、ご容赦ください」


「なあに、いいってことよ。こちとらかれこれ10日も飯にありつけてねえんだ。食えればなんでもいいさ。オラァそこのガキぃ!ちょろちょろしてねえで酒もってこおぉぉい。そこの女、お前は料理をもってこい!」


 その後、こいつらのその後は適当に聞き流して、適当に飯だけくらうと辛気臭くてかなわねえので俺はもう少しでかい町を目指すことにした。騎士の目的?俺の知ったこっちゃねぇ。邪魔だったら殺して捨てるだけだ。



村長の手記


 村をどこかの騎士が襲ってきた。彼らはこの村に伝わる、世紀末に世界を救うという勇者の召還陣の破壊を目的としていたようだ。おそろしい襲撃と炎により陣は破壊されてしまったが、直前に勇者は召還されていた。希望は歩き始めたのだ。

 炎に包まれ蹂躙される村にゼロと名乗ったその男は現れた。身の丈2mを超える筋骨隆々の肉体の力は古今無双。それに加え、すさまじいまでの体術で瞬く間に騎士達を葬った。そして食事以外の一切の要求はせずに颯爽と次の町を救いに旅立った。

 真の勇者が世界を救う伝説の始まりである。




※ちょこっとキャラ紹介


ゼロさん・・・・・・世紀末世界に生きているヒャッハー共の中でも突然変異に近い戦闘力をもっている方。彼の世界では最終戦争が起きて世界は滅びている・・・・・・が、少数の適応した人類が生き残っている。ついでに変な進化してる。一般的なモヒカンやハゲ、ヒャッハー共に比べるとやや温厚、というか無意味な破壊はしないタイプ。騎士の一人から奪った兜を気に入って被っている。

その兜は顎から口の辺りがあいているため、被ったまま食事が可能。金象嵌のエングレービング装飾の施された黒鉄の兜を被ると、俺の名前をいってみろといいたくなるが、怒られそうなのでいわない。本当は砂漠で行き倒れて収容所に入れられたりしたあと、彼の兄弟達と戦ったり強敵と戦ったりしてヒャッハー達のリーダーになるはずだったのだが、村の召還陣が世紀末勇者を召還した際にぴったり一致したため召還されてきた。些細なことは気にしない性格のため住んでいる世界が変わっていてもまったく気にしていない。実は割といい顔しているのだが、その兜で見えず、台詞だけ聞いているとただの悪党。

 

兜をとられた騎士さん・・・・・・最初の犠牲。技は一切使ってもらえず、ただの豪腕で落馬後踏まれて死亡。実はいいところの貴族の四男で、武功を立てて兄へ下克上を果たそうとしていた。ゼロさんは四男という存在が死ぬ程嫌いなので死ぬべくして死ぬしかなかった。


馬鹿な騎士さん・・・・・・彼の剣は魔力剣。切れ味を増す魔力と耐久度が増す魔力が込められており、鉄の鎧くらいならそれごと切り裂く恐るべき威力をもっていた。アイアンゴーレムの殴打を防ぐことも可能な強度。指二本でへし折られるとは全く思っていなかった。合掌。


村長・・・・・・一般的な村の長。70歳くらい。実は元冒険者の魔法使いで、村の東が無事だったのは村長が戦っていたから。


ガキ・・・・・・一般的なガキ。今回の襲撃でいろいろ失って死にそうだったが、ゼロさんの活躍で生き残る。炊き出しの時になつくが、戯れに修行方法を教えてたらゼロさん面倒くさくなったので適当なところで当身で寝かされた。その後旅立ち、成長した彼は拳法の一大流派を築きあげるが、本編では二度とでてこない。

 

女・・・・・・一般的な村の女。今回の襲撃で色々と失って死にそうだったがゼロさんの活躍で生き残る。炊き出しの時に惚れるが、戯れに絡んでいたらゼロさん面倒くさくなったので、適当なところで当身で寝かされた。その後旅立ち、都で歌手になった彼女は一世を風靡させる伝説の歌姫と呼ばれるようになるが、二度とゼロさんに遭遇することはなかった。


不定期適当投稿ですが、エタらないようにがんばります。

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