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龍翔に迫る危機

一人の少年は、銀髪で、身長も結構ある感じのチャラ雰囲気を漂わせる少年。


もう一人は、どう見ても小学生みたいな感じで、手に仮面ラ○ダーの仮面を持っている。


しおりが耳打ちしてきた。


「あの銀髪の奴、変人の中村だわ」


俺も小声で耳打ちする。


「なんだよそれ・・・」


「あいつ趣味悪いのよ。」


「なんでそんな事知ってんだよ・・・」


「最近もめ事一学年上で、起こした奴らいたでしょ?」


ああ・・・


そういえばあった。


ホームルームで、柴田が話してたな。


「あいつは、その問題を起こした人物の一人で、つい最近まで、停学してたの」


「お前詳しいな・・・」


「まあね」


銀髪の少年は、急にこちらを向いてきた。


「やばっ・・」


しおりが焦ったようにそ う口にした。


銀髪の少年は、こっちに向かってくる。


「龍翔逃げるわよ」


「おう・・・」


また逃げるのかよ・・・・


俺としおりは、さっき逃げてきたばかりだというのに、また逃げる羽目になった。


「お前といるとへんなことばかり起きるな・・」


「失礼ね」


「なんてさっきも逃げてまたこうなるんだよ」


「しらないわよ」


銀髪の少年は、小学生っぽい少女を置いていったのか一人でこちらにすごい速度で接近してくる。


「おいすげえ速い」


俺が驚愕していると・・・


しおりは、速度をここぞとばかりに一気に上げた。


「マジかよ・・・」


さすが男を超す運動神経をもつと言われた女・・・


俺は、速度をそのまま事が出来ず、どんどん失速していった。


やばいと思っ て後ろを振り向いて見ると・・・


「お前に用はねえけど、捕らえた」


俺に銀髪少年はダイブしてきた。


「うおっ・・・」


重い・・・


ずしんと体重がかかってきた。


そして地面に叩きつけられた。


まさか飛びかかってくるなんて・・・・


銀髪の少年は、頭をおさえて


「いててて・・・・。変なところに頭打ったわ・・・」


こちらを見ると、銀髪少年は、


「お前佐藤しおりと随分仲良さげじゃねえか」


俺はてんぱりながらも答えた。


「兄妹だからな」


「兄妹!?」


銀髪少年は、これでもかというぐらい驚いていた。


そして興味深そうな表情で言った。


「それは興味深いな・・・・」


「?」


目を輝かせる銀髪少年。


思いついたようにポンっと手を叩くと、


「じゃあお前変わりに俺と勝負しな」


「勝負?」


「俺は、佐藤しおりに興味がある。ぜひ付き合ってほしいもんだ」


「だからよぉ・・」と言って一旦間をあけて言った。


「この祭りの出し物で、勝負して、勝ったほうが相手に一つお願いできる。これでどうだ?」


よくある賭けだ。


俺は、直感する。


俺では、この少年には負ける。


そんな感じがする。


この少年の身に纏う空気がそう思わせる。


でもここで逃げたらしおりに・・・


しおりをこんなチャラチャラした奴なんかとつき合わせてたまるか


俺は、勢い任せに言った。


「やってやる。」


少年は、口元を少しつり上げて、


「いいねえ。それでこそあの女の兄だ」


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