設定
目を開けると真っ暗な場所。
そのくせはっきりと前が見える。
目の前には沢山の顔のパーツや髪型や髪の色の画像、服の画像がある。
「キャラクターの設定か・・?」
目の前にあった服の画像を押した。
するとその服が出てきた。
「正解か。」
となればまずは顔の設定は・・・
もう変えない。
だって設定するの面倒だし、間違って変な顔になっても困るし。
じゃあ髪や目の色は・・
これも変えない。
俺は黒髪黒目に誇りを持つ!!
単純に目立ちたくないからだけど。
「服はどうしようか・・」
今の俺は下着以外何も来ていない。
まさかこれでスタートは無いだろう。
「やっぱ動きやすいように半袖にするかな・・・?」
当たりを見回した。
真っ黒な世界。
何となく寒気がした。
・・・やたらと現実味があるな・・・
「寒さ対策の為にも長袖にするか。
暑かったら脱げばいいんだし。
でもやっぱどうしようかな~?」
結局長袖を二枚着ることにした。
黒と灰色の中間色のシャツに、赤茶色のふさふさしたパーカー。
うん、(*´∀`*)アッタカーイ
ズボンはジーパン。
少しぶかぶかだったのでベルトを巻いた。
同じサイズのを選べよって?
・・・恐らく俺の目の前の服の画像は何万種類。
でもサイズがあって同じデザインのやつが無かったんだよ!
畜生!
しかし動きやすさに問題はない。
よし、これにしようと思ったんだけど、
どうやって決定すんのこれ?
メニューか?
「メニュー開け。」
言ってしまった!
とか思ってる内に、ピッという音と共に目の前に画面が現れた。
ツカサ:Lv1 職業: 属性:
アイテム
ステータス
装備
フレンド
所持金
所属ギルド名
ギルドランク
掲示板
書き込み板
メニューだ。それ以外の言いようが無い。
しかし、ギルドランクまでならともかく、掲示板もそうだが、
書き込み板って・・・何?
・・・決定ボタンがない。
メニューを見ればいいと思ったんだけどな。
「〝決定〟ってどうすれば・・・?」
画面は現れない。
違ったか。 ・・・あれ?
体が光ってる・・・
「へ?ナニコレ?」
シュッと音を立ててどこかに飛ばされるような感覚で目の前が光った。
・・・気がつくとどこかの広場かなんかだった。
「何処ここ?」
人がたくさんいる。千人はいるな。
シュッと音を立ててまた人が増えていく。
「じゃあここが初めの場所的なアレか。」
とりあえず突っ立ってても仕方がないので歩いた。
しばらくして、俺はなんとなくだが分かったことが二つ。
多くて三つだ。
まず一つはプレイヤー全員がこの広場にいる。
歩いている途中、明らか知り合いだったかのようなメンバーが話しているところを何度か見かけた。
もう一つはプレイヤーの増加と共にこの広場が大きくなっていること。
なぜか分からないがさっきより広くなったような気がする。
否、俺がここに来たあとももう何千という人が出てくるのを見たが、
歩く幅が全く狭くならない。
むしろ広くなっている。
最後にもしかしたら、もしかしたら、
いや、外れて欲しいんでけど、
黒髪黒目の俺って結構目立っているのでは・・・
周りの殆どが金髪。
金髪だけじゃないけど黒髪なんて一人も見かけなかった。
「マジかよ・・・」
といった瞬間パーンという音がした。
結構ビビッた。
今思ったけどこれって機械の中の世界だよな・・・
放送が流れた。
誰の声かは分からないが、恐らくMagicians Onlineの製作者の一人。
テンションが高そうなのに、凄く威厳のある声で、そいつはこう言った。
「ようこそプレイヤーの皆さん!
Magicians Onlineの世界へようこそ!
皆さんには剣も魔法もこの世界の全てを楽しんで頂きたい!」
オォーっという歓声がした。
うるさかった。